電子契約の導入

2019年09月09日(月)

それでは、電子契約を導入するにあたって、どういった準備が必要なのでしょうか?電子契約のやり方を考える上で重要なポイントを、導入前と後に分けて解説します。

導入に必要なステップ

1.費用対効果を見極める

まずは導入する際にメリットとデメリットをしっかりと考えましょう。業務効率化やコスト削減できる、印紙税を節約できるなどの数々のメリットが電子契約にはありますが、導入コストがかかるというデメリットもあります。

コスト削減を目的に導入したはいいけど、使う機会がほとんどなかったでは、かえってコストがかかってしまうことにもなりかねません。契約書の作成頻度や郵送回数、作業時間、管理にかかるコストなどを算出して、費用対効果をしっかり見極めましょう。

 

2.導入メンバーの理解を深める

プロジェクトとして電子契約を導入するなら、まずはプロジェクトメンバーの電子契約に関する知識を高めましょう。先ほど説明した電子契約に関わる法律はもちろん、システムの仕組みや社内規定、業務フローなどもしっかりと確認する必要があります。


3.電子契約システムのカスタマイズ

システム会社から提供されるサービスが自社に合っているとは限りません。稟議システムや取引先の情報管理システムなどと連携しているサービスもあります。自社に合ったやり方はどんなものなのか?どんなシステムが必要なのか?どのようにカスタマイズするか?をメンバーで検討し、導入を進めましょう。

導入後に社内ですべきこと

1.社内の理解を深める

スムーズに電子契約に移行するためには、実務を担当する社員の理解が必要不可欠です。特に移行期間は従来の紙の契約と電子契約が混在する状態になりがち。混乱しないよう、工数が増えないよう、マニュアルや研修などで社員の理解を深めましょう。

2.取引先の理解を深める

電子契約を運用するためには取引先の理解も深める必要があります。社内と同様、説明会の実施やマニュアルや資料などを渡し、トラブルを未然に防ぎましょう。

電子契約導入にあたっての注意点

メリットが数多くある電子契約ですが、注意すべき点もいくつかあります。

受信側の理解

前述のとおり、電子契約の導入は取引先にも大きな影響を及ぼします。自社が電子契約を導入するためには、相手方も同様のシステムを導入する必要が出てきます。「当社と同じ電子契約のシステムを導入してください」と自社の都合を押し付けるわけにもいきません。

まずは、相手方にもメリットなどを伝えた上で、システムを導入してくれるのか?導入してくれなかったらどう対応するのか?を考えましょう。



書面(紙)による締結や交付が義務付けられているものがある

基本契約、秘密保持契約、売買契約、業務委託契約、請負契約、雇用契約など、ほとんどの契約において電子契約は有効です。しかし、書面による契約しか認められていないものも少なからず存在します。たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • 定期借地契約(借地借家法 22 条)
  • 定期建物賃貸借契約(借地借家法 38 条 1 項)
  • 投資信託契約の約款(投資信託及び投資法人に関する法律 5 条)
  • 訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引における
  • 書面交付義務(特定商品取引法 4 条 etc)

まずは自社の事業で電子契約への移行ができるのか?できないものもあるのか?を把握しておき、電子契約が自社に本当にふさわしいやり方なのか検討しましょう。


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