2026年01月16日2026年01月16日

金銭消費貸借契約書は電子契約できる?電子化の方法や無料テンプレートをご紹介!
金銭消費貸借契約とは
金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)とは、民法で定められている「消費貸借契約」の一種で、借主が貸主から金銭を借り入れ、将来その金銭を返済することなど「金銭の貸し借り」を目的とする契約です。個人間の貸し借りから企業間の資金融資まで幅広い場面で利用されています。
この契約では、貸付金額や利息、返済方法、返済期間、担保の有無などが明確に定められます。契約は口頭でも成立しますが、トラブル防止や証拠として、書面や電子契約による記録が一般的で、利息を設定する場面では、利息制限法などの法規制を守る必要があります。
金銭消費貸借契約=借金?
借金は、お金を借りて返すという行為全般を指すため、「金銭の貸し借り」を目的とする契約である金銭消費貸借契約と同じと理解してほとんど間違いはありません。
しかし、「借金」という言葉のみだと、広い意味となり漠然としすぎているため、この「借金」という行為を、法的に明確な契約として書面に落とし込んだものが「金銭消費貸借契約」となり、これは、金銭消費貸借契約は民法で定められた契約類型で、法的拘束力を持ちます。
民法で定められている「消費貸借契約」とは?
消費貸借契約を簡単に説明すると、「借りたものを使い切り、後で同じ種類・同じ量の別のものを返す」という契約を指します。金銭に限定されていないのが特徴で、身近な例でいうと、銀行の住宅ローンや友人との1万円の貸し借り、あるいは隣家からのお米や調味料の借用などがこれにあたります。
つまり、金銭消費貸借契約は、消費貸借契約の中のひとつで、お金の貸し借りに特化した契約となります。
【参照:e-Gov法令検索 民法第587条】
【補足】2020年民法改正のポイント!
- ①「要物契約」(ようぶつけいやく)から原則「諾成契約」(だくせいけいやく)への変更
改正前は、口約束だけであれば契約は成立せずに、お金を引き渡すことで初めて法的効力が発生する要物契約でした。しかし、改正後は、当事者間の合意だけで成立する諾成契約となりました。そのため貸し借りをするという口約束だけでも、貸主はお金を渡す義務があり、借主は将来返済する義務を負います。ただし、書面(契約書)以外の金銭消費貸借契約に関しては、引き続きお金を渡すまでは契約が成立しない要物契約の性質をもつとされています。 - ②法定利率が5%から3%に引き下げ。また、変動制の導入。
金銭消費貸借契約で、利息に関する定めがない場合や、返済が遅れた場合の損害遅延金を計算する際に適用される「法定利率」が大きく変更となりました。民法制定以来、年5%に固定されていました。改正後、現代の金利の低さに合わせて年3%に引き下げられました。また、社会の経済情勢を反映させられるように3年ごとに利率が変動する「変動制」になっています。2029年3月まで引き続き3%になることが決定しています。
金銭消費貸借契約書に印紙税はかかる?
はい、金銭消費貸借契約書は原則として、印紙税がかかります。印紙税法、第1号文書の金銭の消費貸借に関する契約書に該当するため、契約書に記載された貸付金額に応じて印紙税が課されます。※電子契約の場合は印紙税はありません
| 【契約金額】 | 【印紙税額:1通または1冊につき】 |
|---|---|
| 1万円未満 | 200円 |
| 1万円以上10万円以下 | 400円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 40万円 |
| 50億円を超えるもの | 60万円 |
| 契約金額の記載のないもの | 200円 |
金銭消費貸借契約書の作成ポイント
金銭消費貸借契約書では、「もらったと思った」「利息なんて聞いていない」「返す気はない」など、後のトラブルを防ぐために、「貸した証拠」と「返済のルール」を明記することが重要です。
| 貸主と借主 | =誰が誰に貸したのか |
|---|---|
| 元本の金額 | =いくら貸したのか |
| 利息 | =利息の有無や利息の具体的な金額 |
| 返済期日 | =いつまでに返すのか |
| 返済方法 | =どのように返すのか |
| 遅延損害金や期限の利益喪失など | =返済が遅れた場合の対応 |
| 保証人や担保 | =保証人や担保の有無 |
ポイント①貸す金額は正確に分かりやすく記載
数字と漢数字を併記することで、金額の誤記や改ざんリスクを低減できます。
ポイント②利息と遅延損害金を明記する
利息をとる場合、その利率と計算方法まで記載します。返済が遅れた場合に、年利何%の遅延損害金を課すかについても記しましょう。
ポイント③返済条件を具体的に、かつ厳密に取り決める
- ・返済期日:一括返済の場合はその日付を。分割返済の場合は、毎月返済日と回数を記します。
- ・返済金額:毎月の返済額を明記します。
- ・返済方法:銀行振込の場合は、口座情報まで記載します。振込手数料の負担についても記しましょう。
ポイント④貸主保護のために、期限の利益喪失条項を必ず盛り込む
・借主が特定の条件(例えば…分割払いを数回滞納した、破産手続きを開始しているなど)に該当した場合に、残りの借金を一括で全額直ちに返済しなければならない旨を記しておきます。貸主はスムーズに債権回収に移れます。
ポイント⑤連帯保証人に関する規定を決めておく(個人の連帯保証人については保護規定が強化されています)
金銭消費貸借契約書に記載する項目例
ここからは、金銭消費貸借契約書に記載すべき具体的な条項をご紹介します。
【絶対必須!】重要な5項目
- ●貸付金額(元本)
貸し借りする金額は、「金〇〇円」と明確に記載しましょう。
漢数字(壱、弐、参など)を使うと改ざん防止になりますが、電子契約ならアラビア数字(123…)でも履歴が残るため問題ありません。 - ●返済期日と返済方法
返済の方法や期日は、「いつまでに」「どこへ(振込先)」を特定するために必要となるため、必ず明記しましょう。分割なら各回の期日をそれぞれ明記します。 - ●利息
利息の記載がない場合、原則「無利息」となります(商売として貸す場合を除く)。
利息を付ける場合は必ず明記しましょう。また、利息はいくらでも良いという訳ではない為、利息制限法(年15~20%)の範囲内で設定するようにしましょう。 - ●期限の利益の喪失
これは、「支払いが遅れたら残りを一括で請求できる」というルールです。これがないと、遅延してもその月の分しか請求できず、回収が困難となるため、支払いが遅延した場合のルールをここに明記しましょう。 - ●遅延損害金
支払いが遅延した場合のペナルティを記載します。遅延損害金は、利息制限法の1.46倍(最大年21.9~29.2%)まで設定可能となります。(一般的には年14.6%が実務上の目安)
安全性を高めるための追加項目
以下は、特に金額が大きい場合や、相手の信用に不安がある場合に検討すべき条項です。
- ●連帯保証人の設定
借主が払えない場合に、代わりに支払う義務を負う人を立てます。※ 2020年の民法改正により、個人が保証人になる場合は「保証人が支払う上限額(極度額)」を契約書に書かないと、保証契約自体が無効となるので注意が必要です。 - ●資金使途(使い道)の制限
資金使途を記載することで「事業資金として貸したのにギャンブルに使われた」といった、目的以外にお金を使われてしまう事態を防ぎます。 - ●表明保証(反社チェックなど)
相手が反社会的勢力でないことや、提出した書類に嘘がないことを誓わせます。これに違反すれば、即座に全額回収(解除)が可能になります。
金銭消費貸借契約書は電子契約できる?
金銭消費貸借契約書は、法律上、書面での締結が義務付けられていないため、電子契約で締結することが可能です。電子署名やタイムスタンプを利用することで、紙の契約書と同等の法的効力を持たせることができます。
金銭消費貸借契約書を電子化するメリット
金銭消費貸借契約書を電子化することで、契約締結や管理業務の効率化、トラブル防止など、多くのメリットを享受できます。特に、金銭取引に関わる条件管理の複雑さやリスクを軽減できる点で、電子契約は非常に有効な選択です。企業や個人の資金取引をスムーズかつ安全に進めるためには、電子化が大きな選択肢となっています。
- 1. 条件管理がしやすくなる
金銭消費貸借契約では、利息率や返済スケジュール、担保条件など、複数の条件を正確に管理する必要があります。電子化することで、契約内容をクラウド上で一元管理できるため、条件の確認や進捗状況の追跡が容易になります。返済期日に関する通知機能を活用すれば、管理ミスのリスクも軽減できます。 - 2. 証拠の確保によるトラブル防止
金銭消費貸借契約は金銭のやり取りに直結するため、トラブルが発生するリスクが高いです。電子契約では、タイムスタンプや改ざん防止機能を利用することで、契約内容の信頼性を向上させ、証拠としての効力を強化できます。これにより、契約条件に関する争議を未然に防ぐことができます。 - 3. 契約内容の透明性確保
電子契約を利用することで、貸主・借主双方が契約内容をリアルタイムで確認でき、条件変更や修正が必要な場合も迅速に対応できます。特に、利息率や返済スケジュールに変更が発生した場合、双方が即座に合意を確認できるため、契約書の透明性が向上します。 - 4. データ管理とセキュリティの強化
紙の契約書は紛失や破損のリスクがありますが、電子化された契約書はクラウド上で安全に保管できます。また、金銭に関する機密情報を含む契約書においては、アクセス権限を設定することで、不正アクセスを防ぎ、セキュリティを確保できる点は大きなメリットです。
金銭消費貸借契約書を電子化する方法
金銭消費貸借契約書を電子化するには、契約書の内容をPDF化し、文言を電子契約対応に修正します(電子契約サービス選定後でもOK)。次に、電子署名やタイムスタンプ機能を持つ電子契約サービスを利用して契約を締結し、クラウド上で一元管理します。
契約書の変更ポイント
- ●「書面による承諾」等の記載がある箇所の文言を変更
例:書面:書面による承諾が無い限り
電子契約:書面または双方が合意した電磁的措置による承諾が無い限り - ●末尾文言(本契約の成立の証として、以降)を変更
例:書面:本書2通を作成し、各自記名押印の上、各1通ずつ保有する。
電子契約:本電子契約書ファイルを作成し、それぞれが電子署名を行う。
なお、本契約においては、電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、
同ファイルを印刷した文書はその写しとする。 - ●押印欄を削除(任意)
電子契約では、押印・捺印は不要となるため、電子契約サービスを使用する場合は、
契約相手の操作の負担になる可能性も考慮しできるだけ削除したほうが良いでしょう。
※これはあくまでも契約相手への考慮となるので、本来は押印・捺印が不要な電子契約でも、契約をした目印にしたい等の場合は削除せずとも問題ありません。
金銭消費貸借契約書の電子契約用 無料テンプレート
既に金銭消費貸借契約書の自社用のテンプレートをお持ちの方は、書類の内容を少し調整するだけで簡単に電子契約で使用できますので、当記事をお役立ていただければ幸いです。
これから金銭消費貸借契約書の作成をされる方もご安心下さい!
当サイトでは、電子契約用に調整した契約書テンプレートをご用意しておりますので、
ぜひこちらもご活用頂ければ幸いです。
※上記ファイルは、あくまでも電子契約用に調整した契約書のサンプルとなりますので、ご利用については弊社では責任を負いかねます。必ず専門家へご相談頂き、内容を自社用に変更・カスタマイズした上でご使用下さい。
金銭消費貸借契約書のよくある質問
金銭消費貸借契約書は、貸主・借主どちらが作るべき?
金銭消費貸借契約書は、基本、お金の貸し借りを約束する時点で、お金を貸す(貸主)が作成します。貸主が草案を用意し借主が内容を確認します。
金銭消費貸借契約書は電子契約できるの?
はい、電子契約することができます。民法の第587条を参照すると、電磁的記録によってされた場合は、「書面によってされたものとみなす」と民法上で、明記されています。
金銭消費貸借契約書は印紙税がかかる?
はい、原則かかります。印紙税法上の「第1号の1文書」に該当し、貸付した金額によって決まります。貸付金額が1万円未満の場合や電子契約であれば、印紙税はかかりません。
金銭消費貸借契約は、どのような場面で利用される?
個人間でのお金の貸し借りや、銀行など金融機関から住宅ローン、事業で利用する資金などを借りる際に広く利用されます。また、企業が取引先に対して資金を貸し付ける場合など、法人間の資金のやり取りでも用いられます。
要物契約と諾成契約の違いってなに?
要物契約は、物の引き渡しがあって初めて成立する契約である一方、諾成契約は、当事者間の合意(※口約束も可)のみで成立する契約です。書面だと、消費貸借契約は諾成契約に当たります。
利息は相手方が納得すれば勝手に決めていいの?
いいえ、相手が納得しても、利息は「利息制限法」という法律によって上限が存在します。元金が10万円未満なら年20%、10万円以上なら年18%、100万円以上なら年15%が上限になっています。
金銭消費貸借契約で、利息に関する定めがない場合ってあるの?
はい、あります。当事者間で利息に関する合意がない場合、原則、無利子になります。ただし、一般的な商取引(商人間の貸し借り)では、利息の定めがなくても法定利率(年3%)での利息が発生することがほとんどです。
遅延損害金ってなに?
簡単に言うと、返済が遅れたことによって発生するペナルティ(損害賠償金)です。利息とは別に、遅れた日数に応じて追加で支払う義務が生じます。
遅延損害金はどのように価格が決まるの?
(支払いが遅れている滞納金額)×(遅延損害金の利率)÷ 365日 ×(支払い遅れの日数)
期限の利益損失ってなに?
期限の利益喪失とは、分割払いや返済期日が設けられている際に、借主の滞納や破産による信用喪失によって残りの債務を直ちに、一括で、返済しなければならなくなることをいいます。言葉通り、期限の利益(債務の猶予)が損失、なくなることです。
金銭消費貸借契約書は必ず書面で作る必要がある?
必須ではありません。ただし、書面がない場合お金が引き渡されて初めて契約が成立することになり、トラブル防止のためにも作成することを強く推奨します。
親族間のお金の貸し借りでも契約書は作るべき?
はい、契約書を作成することを推奨します。借主の返済する意思を証明できるためです。また、大きい額が動いた場合、税務署の調査が入った際に、贈与とみなされ贈与税が発生する恐れもあります。
連帯保証人がいる場合の注意点は?
連帯保証人は基本、債務者(借りた本人)と全く同じ返済義務を負います。また貸主から直接請求された場合、拒否出来ません。責任を十分に理解してもらう必要があります。
電子契約サービスの選び方
金銭消費貸借契約書は電子契約できる書類なので、電子契約サービスを導入することで契約で発生するコストや手間の削減、業務効率改善が叶うかもしれません。
当サイトでは、ニーズ別に電子契約サービスをご紹介していますので、以下記事もぜひご参考下さい。








