電子契約の基本情報

リモートワークの促進に合わせてますます注目の集まる電子契約。ニュースや新聞などでも目にする機会が増えてきました。とはいえ、「電子契約って言葉は聞いたことがあるけど実際のところどういうものなの?」という方もまだまだ多いはず。ここでは、電子契約について基本的な情報をお伝えしていきます!
電子契約って何?
従来、企業間で商品やサービスの売買を行う際には紙の契約書で契約を交わしていました。紙の契約書に契約者同士が署名捺印することで双方の合意が成立したという証になるわけです。仮に契約後に契約不履行などのトラブルがあり、裁判になったとしても、契約書が証拠となります。
一方電子契約は紙の代わりにパソコンで契約書のデータをやり取りして契約を結ぶやり方です!早速詳細を確認してみましょう!
電子契約が普及している背景
電子契約が普及したきっかけは2000年に政府が掲げた「e-Japan構想」です。当時はインターネットの黎明期。超高速インターネットの普及や、電子商取引の推進などが構想に盛り込まれました。詳しい内容は後述しますが、同年には電子署名法が制定、05年にはe-文書法の制定や電子帳簿法の改正がされるなど、電子契約に関する法整備がなされてきたのです。
これまでの紙の契約書から電子契約への移行は国際的なトレンドとも言えます。EUでは日本より早い1999年に電子署名指令が発令。加盟国で法整備をすすめ、電子署名を活用していこうという流れになりました。こうした世界の動きに合わせて、日本も独自に法整備を進めてきたのです。
2014年にはEU で電子文書や電子署名の有効性を加盟国が相互に認める「eIDAS規則」が制定。国内だけでなく、国際的にも電子契約の有効性が認められる土台が整備されてきています。電子契約が商取引の主流になるという未来は、そう遠くないのかもしれません。
電子契約の普及率
国内外の法整備やトレンドの変化もあって、電子契約の普及率も年を追うごとに上昇しています。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)『企業 IT 利活用動向調査 2018』によると、「複数の部門、取引先との間で電子契約を採用している(N対N型)」と「一部の取引先との間で電子契約を採用している(1対N型)」の合計は2016年の調査では38.4%だったのに対し、17年は42.4%、18年は43.1。年を追うごとに増加していて、今や4割の企業がなんらかの形で電子契約を導入していることがわかります。
特筆すべきは「複数の部門、取引先との間で電子契約を採用している(N対N型)」の割合が大きくなっているということ。これまで一部の部門のみが電子契約を活用していた企業が多かったのですが、全社的あるいは複数の部門で電子契約を活用している企業が増えているのが近年の傾向です。単純に電子契約を導入している企業が増えているだけでなく、完全に電子契約へ移行する企業が増えていることを裏付けるデータであると言えます。
また、「電子契約を採用する予定はない」とする企業も16年では3割だったのに対し、18年は2割にまで減少。従来の契約のやり方を続けている企業であっても、電子契約に対する抵抗感が少なくなり、考え方に変化が起こっていると言えます。
紙の契約書との違い
電子契約 | 紙の契約書 | |
形式 | 電子データ | 紙に印字された書面 |
押印 | 電子署名 | 押印、もしくはサイン |
印紙 | 不要 | 必要 |
送付方法 | インターネットによる送信 | 持参、もしくは郵送 |
保管先 | サーバー(主に自社/社外も含む) | 書棚、倉庫など |
法的証拠力 | 本人電子署名があれば効力あり | 効力あり |
紙の契約書の場合、契約が締結されるまでに「作成」「相手との受け渡し」などで時間も手間もかかりますが、電子契約の場合は手間がかからずスムーズ。また、物理的な保管場所も印紙も不要。経費を抑えることにもつながるため、ますます注目を集めています!
電子契約の法的証拠力
とても便利な電子契約ですが、気になるのがその法的証拠力。
民事訴訟法、および電子署名法では以下(一部抜粋)のように定めているため、もし裁判において契約書のことで争うことになった場合、その契約書が作成者の意思により作成された文書であることが証明できれば証拠として認められます。日本の法律上では一部の例外を除き、契約締結は紙の契約書のみに限られておらず、紙の契約書を用いた契約締結と電磁的記録を用いた契約締結双方に効力が認められています。
民事訴訟法第228条第1項
「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない」
民事訴訟法第228条第4項
「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する 」
出典:民事訴訟法
「文書に本人の押印がある場合は、その文書は本人の意思を忠実に表現した文書だと推定される」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=408AC0000000109
電子署名法第3条
「本人による電子署名(省略)がおこなわれているときは、真正に成立したものと推定する。」
つまり、電子署名が付与された電子データの契約書であれば契約が真正に成立したものであることを推定できることになり、紙の契約書と電子契約は法的証拠力が同等にあると判断されます。
その他にも、電子契約を交わした際のログ、電子契約システムを提供する電子契約サービス会社や電子証明書を発行する認証事業者の信頼性なども、「真正の成立」を左右する証拠して挙げられます。
出典:電子署名及び認証業務に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=412AC0000000102
電子署名の重要性
お互いの合意により何らかの約束を交わす際に結ぶ契約。取り決めた内容を、法律的な効力を発生させるために文書に記載し、署名、押印するのが契約書であり、文書にすることで、あとあとトラブルが発生するのを避けることができます。
この契約書、これまでは紙で作成し押印することで作成していましたが、電子データと電子署名による電子契約を交わすケースが増えてきています。この電子署名とは、電子文書に付与する電子的な証拠のことで、情報の改ざん、なりすましを防止する技術のこと。電子契約サービス会社の電子契約システムを用いたり、電子認証事業者が発行する「電子証明書」を用いたりすることで、証拠力の高い電子契約をすることが可能となります。
業務効率が見込める、リスクの低減など、得られるメリットも多数あるため、今後さらに導入を検討する企業は増加していくでしょう。

電子契約の仕組み
電子ファイル(PDF)の契約書に電子署名、およびタイムスタンプを付与することで、次のことが証明されます。
- 文書が改ざんされていないこと(同一性の確認)。
- 本人がその文書に署名していること。
これを証明するのは、電子契約サービス会社、もしくは電子認証事業者(両方で証明を得ることもできる)のいずれか。これらのサービスを利用することで高い証拠力を持った電子契約を交わすことが可能となります。
電子契約を利用する会社の増加に伴い、現在、電子認証事業者(認証局)をはじめとし、さまざまな電子契約サービス会社が増えていますが、それぞれが技術を駆使し高度な証拠力が得られるシステム構築に力を入れているため、十分な信頼性を確保することができるでしょう。

電子契約のメリット・デメリット
電子署名、タイムスタンプが実用化され、電子署名法など法的にも紙の契約と同様に高い証拠力が得られる電子契約。印紙税や送料が不要。また、業務の効率もアップするのでコスト削減が可能です。さらに、作業スピードがアップする、コンプライアンスを強化するなどメリットが多数ありますが、デメリットもゼロではありません。
電子契約しようとしている契約書の内容が、法的に問題がないか(電子契約が可能かどうか)を確認したり、中には電子契約を面倒だと感じる人もいるため、契約の相手先に理解を得たりすることも必要です。
デメリットがあるとはいえ、非常に便利な電子契約。これからの時代に添った新しい契約形態に積極的にトライしてみる時期であるといえるでしょう。

電子契約を おすすめしたいケース |
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電子契約を導入すると… |
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電子契約を おすすめしないケース |
|
電子契約を導入すると… |
印紙税は本当に削減できる?
紙の契約書には、印紙税が課せられますが、電子契約の場合はどうなるのか、気になる方も多いことでしょう。
印紙税法第2条において、「文書には、(省略)印紙税を課する」と定めていますが、国税庁は課税対象となる文書の定義を「紙の原本」としているため、電子データである電子契約には印紙税はかかりません。
また、電子契約については、2005年の国会で当時内閣総理大臣であった小泉純一郎氏が「文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されない(参議院議員櫻井充君提出印紙税に関する質問に対する答弁書(5の一部を抜粋))」という答弁を行っています。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/162/touh/t162009.htm
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