2026年02月13日2026年02月13日

2024年(令和6年)1月から完全義務化がスタートした電子帳簿保存法について「結局、何をすればいいのか分からない」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
この記事では、電子帳簿保存法をざっくり解説し、おすすめの電子帳簿保存法に準拠した安い電子契約サービスをご紹介します。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、国税に関わる帳簿や書類を、一定の要件を満たすことで電子データで保存できるようにした法律です。
この法律では、国税関係帳簿と国税関係書類を電子データで保存する場合に守らなければならないルール(改ざんを防ぐための要件や、検索機能の要件など)が定められています。
電子帳簿保存法の対象になる文書
電子帳簿保存法の対象になる文書は、「国税関係帳簿」と「国税関係書類」の大きく2種類に分けられ、さらに国税関係書類は「決算関係書類」と「取引関係書類」に分類されます。
- 1:国税関係帳簿
国税関係帳簿とは、会社の財産状況や損益状況を明らかにするための帳簿で、日々の取引の事実を記録・計算するものです。仕訳帳や総勘定元帳が代表的なものです。その他の帳簿としては、売上台帳、仕入台帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛金台帳、買掛金台帳などがあります。 - 2:国税関係書類
国税関係書類とは、主に国税関係帳簿に記載された取引を裏付ける書類です。これらの書類は、取引の内容を具体的に証明することが可能で、帳簿の記載が正しいことを証明する根拠になりえます。大きく分けると「決算関係書類」と「取引関係書類」に分類されます。- 決算関係書類
決算関係書類は、主に国税関係帳簿を基に、会社の一定期間の経営成績や、期末時点の財政状態を確定するために作成されます。(決算に関連した書類と考えればOK)国税関係帳簿と保存区分が同じで、真実性と可視性の確保が求められます。貸借対照表や損益計算書などが該当します。 - 取引関係書類
取引関係書類は、帳簿の記載が正しいことを裏付けるための証拠になる書類です。会社が行った個々の取引の事実や内容を証明するために、外部との間で授受されたり、社内で作成されたりするもので、見積書や請求書、発注書、納品書などが該当します。
- 決算関係書類
電子帳簿保存法で定められた保存ルール
電子帳簿保存法で定められた保存方法は、保存する帳簿や書類がどのように作成・受領されたかにより保存のルールが異なり、主に「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3つに分けられます。
| 区分 | 任意 or 義務 |
|---|---|
| 電子帳簿等保存 | 任意(印刷・紙保管もOK) |
| スキャナ保存 | 任意(印刷・紙保管もOK) |
| 電子取引データ保存 | 義務(印刷保存は不可) |
1:電子帳簿等保存(任意)
電子帳簿等保存(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存)は、最初からパソコンなどで電子的に(WordやExcel、会計ソフト等で)作成した国税関係帳簿や国税関係書類をデータのまま保存する方法です。
「紙での保存が原則」だった書類を、一定の要件を満たせば、パソコンで作ったデータ(ハードディスクやクラウド上)をそのまま原本として認められます。
※義務ではなくやりたい人だけがやる任意の制度となります。
■対象となるもの
- 帳簿: 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳 など
- 決算書類: 貸借対照表、損益計算書 など
- 自社発行の控え: 自分で作成して相手に渡した請求書のコピー など
■主な保存ルール
全てのデータ保存が同じ扱いではなく、大きく分けて2つのレベルがあります。
- 一般の電子帳簿(標準)
最低限、保存で使用するシステムの説明書を備え付け、税務署員が来た時に画面や紙ですぐに確認(ダウンロード)できる状態にしていればOK - 優良な電子帳簿(任意)
訂正や削除の履歴がすべて残り、検索機能もしっかりしている高度なシステムで保存。※万が一申告漏れがあった際、過少申告加算税が5%軽減
2:スキャナ保存(任意)
スキャナ保存は、紙で受領・作成した書類をスキャンしたデータで保存することです。
スキャナでの保存は電子データに変換する際の改ざんを防止する観点から、「訂正・削除履歴が残るシステムに保存をする」「保存対象のファイルにタイムスタンプを付与する」などのシステム要件や日数制限が定められています。
※義務ではなくやりたい人だけがやる任意の制度となります
■対象となるもの
- 相手から受け取った書類: 領収書、請求書、納品書、契約書など
- 自社で作成した書類: 手書きの請求書控えなど(紙で作成した場合)
■主な保存ルール
- 解像度: 200dpi以上で保存
- カラー: 原則カラーで保存 ※赤字のハンコ等が見えるように ※白黒OKな書類もあり
- 入力期限: 書類を受け取ってから「最長2ヶ月と7営業日以内」に保存すること
- 検索機能: 保存しているシステムで「日付・金額・取引先」で検索できること
3:電子取引保存(義務)
電子取引データ保存は、電子的に授受した取引情報をデータで保存することです。
電子契約やインターネット、メールを通じてやり取りした取引データ(PDFなど)を、データのまま保存する方法を指します。電子帳簿保存法の3つの区分の中で、唯一「すべての事業者に強制的に義務化」されている最も重要な項目です。
■対象となるもの
紙が一度も介在していないデータでやりとりした取引すべて
- メール :本文や添付ファイルで届いた書類・請求書・領収書のPDF
- 電子契約 :インターネット上で契約締結した書類のPDF
- 請求システム:請求システム(楽々明細やfreeeなど)からダウンロードしたデータ
- 通信販売 :通販サイト(Amazon、楽天など)の利用明細や領収書のデータ など
■主な保存ルール
電子取引保存においては、以下のルールを必ず守る必要があります。
- 改ざん防止(真実性の確保)
タイムスタンプを付与する。※もしくは「勝手に修正・削除しません」という事務処理規程を備え付ける。 - いつでも見れる(可視性の確保)
保存している場所(システム)で「日付・金額・取引先」で検索可能にする。PCの画面やプリンタで、すぐに内容を確認・出力できるようにしておく。
電子契約サービスは電帳法に対応できる?
全ての電子契約サービスが該当するわけではありませんが、改ざん防止(真実性の確保)のために必要な「電子署名」や「タイムスタンプ」機能が搭載されており、契約書の「保管」機能と「日付・金額・取引先」検索機能がある電子契約サービスであれば、電子帳簿保存法に対応することができると判断できます。
ここからは、電子契約サービスが電子帳簿保存法に対応できるかの確認方法をご紹介します。
電帳法対応の確認ポイント
電子契約でのやりとりは、電子帳簿保存法の「電子取引保存」に該当するため、電子契約を行うすべての事業者において、電子帳簿保存法「電子取引保存」で定められた次の要件を満たすことが義務となります。
- データが改ざんされていないことの証明となる「真実性の確保」
- 必要なデータをすぐに見つけるための「可視性の確保」
そのため、電子帳簿保存法に対応できる電子契約サービスかを見極める場合には、以下の機能があるか確認します。
| 【真実性の確保】に必要な機能 | 備考 |
|---|---|
| タイムスタンプ付与機能 | タイムスタンプは、電子データが「いつ作成され、作成後に改ざんされていないこと」を客観的に証明する「デジタルな日付印」です。 電子帳簿保存法で求められる「真実性の確保(偽造防止)」をクリアするために重要な役割を果たします。 ※タイムスタンプが無い場合は、訂正や削除の履歴が残せる機能が必要 |
| 電子署名付与機能 | 電子署名は直接的に電帳法に関わるわけではありませんが、タイムスタンプと共に用いることで、真実性の確保の強化に貢献する重要な機能です。 |
| 【可視性の確保】に必要な機能 | 備考 |
| 書類保管機能 | 締結した書類(電子データ)を、電子契約サービス内(クラウド等)で保存できる機能です。 電子契約サービス内で電帳法に対応するためには、検索機能が必要となりますが、保管機能がなければ検索機能がないため、まずは保管機能の有無を確認する必要があります。 |
| 書類検索機能 | 電帳法に対応するためには、「年月日」「取引先名」「金額」で書類を絞り込める検索でき、PCの画面やプリンタで、すぐに内容を確認・出力できることが必要となるため、保管機能と合わせて検索機能が必須となります。 ※書類の保管・検索機能が無い場合は自社PCやクラウドで検索できる形での保管が必要 |
※上記のほか、操作マニュアルの備付(システムの使い方がわかる書類)を備え付ける必要があるため、サービス側で操作資料などを提供してもらえるかも確認することをお勧めします。
電帳法に対応できる安い電子契約サービス3選
電子帳簿保存法に準拠しており、かつコストが安い電子契約サービスであれば、はじめて電子契約を導入する場合も安心です。
ここからは、電子帳簿保存法に対応できる機能を備えた安い電子契約サービスを5つ紹介します。ぜひ自社に合うサービスを見つけてみてください。
【1】クラウドコントラクト
| プラン名 | スタータープラン |
|---|---|
| 利用料金 | 1ヶ月あたり2,178円(税込)~ ※1ヶ月毎の支払の場合:税込2,618円 |
| 送信料金 | 0円 |
| 電子署名 タイムスタンプ |
あり(無料) |
| 文書保管 検索機能 |
あり |
| サポート | あり(電話・メール・チャット) |
| 無料トライアル | あり(14日間) |
| 月10件締結した場合の費用 | 2,178円(税込)~ ※内訳:スタータープラン利用費 のみ |
クラウドコントラクトは、月額料金内で契約書の送信・締結・保管が可能で、低価格で導入できる電子契約サービスです。
「電子署名」と「タイムスタンプ」追加の費用がなく、「送信数」ではなく「実際に締結が完了した件数」が月の締結可能数のカウント対象となるため、送信ミスや、先方で却下されたなど、締結しなかったものがあってもカウント対象外となるので安心して利用できます。
また、締結可能数を超えた場合でも、超過1件につき110円となっているため、追加料金も安く抑えられる点が魅力です。
【2】eformsign
| プラン名 | チャージ型 |
|---|---|
| 利用料金 | 無料 |
| 送信料金 | 1送信あたり110円/件 ※月10件以下の場合は1送信132円(税込) |
| 電子署名 タイムスタンプ |
あり(有料) ※電子署名+タイムスタンプ付与1件110円(税込) ※完了文書への認定タイムスタンプ付与1件55円(税込) |
| 文書保管 検索機能 |
あり |
| サポート | あり(電話・メール・チャット) |
| 無料トライアル | あり(15日間) |
| 月10件締結した場合の費用 | 2,420円(税込)~ ※内訳:送信料132円×10件+電子署名・タイムスタンプ付与110円×10件 |
eformsign(イーフォームサイン)のチャージ型プランでは、必要なときに必要な分だけチャージして利用することができるため、月毎の契約締結数が少ない場合や、契約数が月によってばらつきがある場合にも、契約件数に応じて無駄なく利用できる点が魅力です。
※eformsignでは、「実際に締結が完了した件数」ではなく、「送信数」がカウントされるため、送信ミスには注意が必要です。
電子署名やタイムスタンプの追加が有料のため、電子帳簿保存法に対応できるよう利用する場合には、1送信毎の「送信料金(110円~)」と締結した契約書への電子署名とタイムスタンプの付与(110円~)の料金が基本的な料金となります。
【3】ベクターサイン
| プラン名 | プラン5 |
|---|---|
| 利用料金 | プラン5:月1,320円(税込) ※プラン5年間コースの場合:年間60通/10,560円 |
| 送信料金 | 無料 (プラン料金内で5通まで送信可能) ※送信数追加:5通チャージ1,320円(税込)~ |
| 電子署名 タイムスタンプ |
あり(無料) |
| 文書保管 検索機能 |
あり |
| サポート | あり(電話・メール・チャット) |
| 無料トライアル | なし ※2025年2月13日新規申込停止 |
| 月10件締結した場合の費用 | 2,640円(税込)~ ※内訳:プラン5利用費+5通チャージ1,320円 |
ベクターサインのプラン5では、必要な分だけチャージして利用できるため、契約数に応じた最低限の費用で利用することができます。プラン料金内で、契約書の送付・締結・電子署名とタイムスタンプの自動付与・保管までシステム内で行えます。
※ベクターサインでは、「実際に締結が完了した件数」ではなく、「送信数」がカウントされるため、送信ミスには注意が必要です。
チャージは1通毎ではないので、最低5~のチャージ/購入となりますが、1000円台でチャージすることができるためコスパ◎です。
また、上位のプランも6,000円~となるので、将来的に契約数が増えることを考慮しても安心して利用できる点が魅力です。
電子帳簿保存法に関するよくある質問
電子帳簿保存法とは何ですか?
国税に関わる帳簿や書類を、一定の要件を満たすことで電子データで保存できるようにした法律です。この法律は、デジタル化推進と、税務処理の効率化のために策定されました。
電子データを保存する場合に守らなければならないルールが細かく定められています。
電子帳簿保存の保存区分はどんなものがありますか?
電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引データ保存の3つがあります。データの出所や作成過程がどのようなものかに応じて、適切な保存区分が設定されています。
なぜ電帳法(電子帳簿保存法)の保存区分は3つに分かれているのですか?
保存対象となる記録の発生源と性質がそれぞれ全く異なっており、適用する法的要件の強さが異なってくるからです。
・電子帳簿等保存:「最初から電子」で「自分で作成・管理」する記録。
・スキャナ保存:「紙から電子」に「変換」する記録。
・電子取引データ保存:「最初から電子」で「外部と授受」する記録。
3つに分けることで過剰な負担や証拠能力の欠如を防いでいます。
電帳法で気を付けるべき保存区分はどれでしょうか?
電子取引データ保存です。すべての事業者に法的に義務付けられており、紙での保存が原則禁止です。他にも、真実性と可視性の確保が求められているため、注意が必要です。
電帳法に対応するために、なぜ電子契約サービス導入がおすすめなのでしょうか?
真実性の確保(データの信頼性)と可視性の確保(データの検索)の要件を一挙に満たすことが可能だからです。電子署名・タイムスタンプ・保管検索機能が備わっていることが多いため、個別に考える必要がなくなります。
電帳法に対応していない電子契約サービスはあるのでしょうか?
基本は対応していますが、海外製や無料ツールの場合、対応していない可能性があります。海外製ツールが日本法に準拠しきれていなかったり、無料ツールだとタイムスタンプが付与されなかったりなどが見受けられます。また、有料の国産サービスでも保存要件が抜けている可能性が考えられるので、自分で確認することが重要です。
電帳法の対象となる文書はどんなものがありますか?
上で大まかに分けましたが、対象となる文書は、非常に多くの種類があります。大まかに言えば、税金を決めるために必要な全ての書類のことを指します。
電子取引データの保存に未対応だった場合、どのようなペナルティが考えられますか?
重加算税である追徴課税が課される可能性があります。他にも、青色申告の承認の取り消しや会社法による罰金が課される可能性があります。知らなかったでは済まされないためしっかり対応しましょう。
電子帳簿保存法に対応すれば、紙の原本を捨てても良いのですか?
はい、電帳法の要件を満たして「電子データ」として保存が完了していれば、紙の原本は破棄できます。
例として、紙で受け取った書類を、スキャナ保存の要件を満たして保存が完了すれば、紙の原本は破棄できます。
まとめ
電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存するための法律です 。
「電子帳簿等保存」、「スキャナ保存」については、書類の電子での保存を行う場合の任意のルールとなりますが、「電子取引保存」については“義務”が生じるため、電子契約導入の際はこのルールを把握しておくことが重要です。
電子帳簿保存法に準拠した電子契約サービスを使いたい場合は、電子署名・タイムスタンプ・文書保管検索機能のあるサービスを選ぶことがおすすめです。








