2025年03月12日2025年03月12日
雇用契約書は、電子契約で行えます。電子化することで、業務を効率化できコストを削減できる可能性が高いなど、多くのメリットを得られますが、デメリットもあるなど、気を付けたい注意点も存在します。
そこで本記事では、雇用契約書を電子化する上での注意点や重要なポイントなどをご紹介します。
雇用契約書は電子契約できるの?
かつて雇用契約書は、紙で作り手書きで署名していました。
電子契約の普及により雇用契約書は早い段階から電子化が可能となりましたが、労働条件通知書は書面交付義務があり、雇用契約書を電子契約しても、労働条件通知書は紙で渡すといった手間が生じていました。
しかし、2019年4月1日に改正された労働基準法によって、労働条件通知書についてもWeb上での交付が認められ、どちらも電子化が可能となりました。
雇用契約書とは?
雇用契約書とは、人を雇う雇用主側と、その企業で働く従業員側との間で労働条件に関する重要事項を明らかにし、労働契約を取り交わす契約書のことです。
雇用契約を定義した民法第623条では、契約だけで効力が発揮されることになっているので、雇用契約書を発行しなくても罰則はありません。
【出典】
雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。
雇用契約書と労働条件通知書の違い
労働条件通知書と混同されることも多い雇用契約書ですが、雇用契約書と労働条件通知書とは以下のような違いがあります。
雇用契約書とは、雇用主側と従業員側との間で労働契約の内容の合意をした証明を示しており、契約内容に合意した証拠となる書類です。その書類には、労働条件に関する事項が書かれており、雇用主と従業員の双方が合意し署名・捺印することで契約が成立します。ただ法律上では、契約書の締結義務はありません。
労働条件通知書とは、従業員の労働条件に関する事項が書かれており、企業が従業員を雇用する際に労働条件を明示するために交付する書類です。この労働条件通知書の交付は労働基準法第15条1項によって定められており、交付を怠った場合には30万円以下の罰金が課されることもあります。
雇用契約書を電子化するメリット・デメリット
雇用契約を電子化することで、いくつもメリットを得ることができます。しかしデメリットも存在します。そのメリットとデメリットを雇用主側と従業員側に分けて、見ていきましょう。
メリット | デメリット |
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雇用契約書を電子化すれば、担当者が書類の作成や郵送のために出社する必要がなくなり、リモートワークへの対応も可能になります。また、事務処理の効率化など、コスト削減につながるなどのメリットがありますが、電子契約を行うための電子契約サービスの利用費用等はかかります。ただ、新たなサービスですので、操作方法を習得する手間もかかるようになります。
従業員側のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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雇用契約書を電子化することで、従業員も契約のために出社する必要がなくなりますし、スマートフォンでも雇用契約に対応できるため、いつでもどこでも手続きできるようになります。ただ契約には、スマートフォンやパソコンなどの端末が必要となり、端末に慣れていない場合には操作に時間をとられる可能性があります。
雇用契約書を電子化する上での注意点
雇用契約書を電子化するにあたっては、注意したいポイントが3つあります。
- 電子契約で締結した契約書データの保存は、電子帳簿保存法に対応しなければいけない
- 電子契約の社内における理解を深めるために、社内マニュアルを作成するなどといった対策が必要となる
- ウェブ上での操作になるため、誤操作や誤送信には注意する
以下、それぞれのポイントの詳細を記載します。
電子帳簿保存法に対応した保管ができるか
2022年4月に施行された改正電子帳簿保存法では、取引データの電子保存などが義務付けられており、雇用契約書を電子契約にするためには、利用する電子契約サービスが、電子帳簿保存法に沿ったデータの保管ができるものか確認する必要があります。
2022年4月に施行された改正電子帳簿保存法では、雇用契約書など、契約書を電子契約で締結した場合、紙にプリントして保存するのではなく、そのまま電子データとして保存しなければいけなくなりました。
契約の原本である電子データは、電子帳簿保存法の「真実性」や「見読性」などの要件を満たす形式で保存する義務があるため、雇用契約書を電子契約する際には、締結後の契約書データを電子帳簿保存法に沿って保存できるか確認しましょう。
社内での理解を深める
雇用契約書の電子化は、これまでなかった新しい動きとなるので、電子契約サービスを導入する際は、電子契約の操作マニュアルや電子契約の仕組みに関する説明をした資料を作成して、担当者の間に周知徹底させ社内での理解を深める必要があります。
新たなサービスを導入する際、電子契約の導入に抵抗を感じる従業員や新しい操作を覚えることにネガティブになる従業員が出てくる可能性もありますので、社内における事前の周知が大切です。
誤送信や誤操作が反映される可能性がある
電子契約の場合、パソコンやスマートフォンなどの端末から簡単にウェブ上で操作を行うことが可能です。それゆえ、誤操作や誤入力、誤送信をしてしまうリスクもあります。もし誤操作や誤入力、誤送信をしてしまったときは、取り消し、訂正のために手間や時間を大幅に費すことになりますので気を付けましょう。
雇用主側と同じように従業員側にも誤操作や誤入力、誤送信をしてしまう可能性もありますので、雇用契約書を電子化する際には、従業員側への理解も徹底するようにします。
電子契約を導入する際に確認するポイント
雇用契約書を電子化するにあたって必要となる電子契約サービスを導入する際、確認しておきたいポイントもあります。特に大事なポイントとして、料金、機能、使いやすさという3つがあり、自社におけるニーズに合致したサービスであるかどうかを確認して導入する必要があります。
以下、それぞれのポイントの詳細を記載します。
料金はいくらか
電子契約サービスを導入する際に、「どの電子契約を使用するか」「どんなサービスを使用するとよいか」によって料金が変わります。例えば、毎月一定の料金を支払う「定額料金型」の電子契約サービスがあれば、1契約ごとや利用回数ごとに料金が発生する「従量課金型」の電子契約サービスもあります。そのほか、基本機能にプラスしたいオプション機能があれば、月額費用にその機能の料金が加算されます。
また、「登録できるアカウント数が限定されている」「無料で利用できる電子契約書の月間通数に制限がある」電子契約サービスでもよければ、料金完全無料で利用できる電子契約サービスも存在します。
自社の使い方によって、導入する電子契約サービスを選びましょう。
どんな機能があるか
通常、雇用契約書は従業員へ同じ文面を送信するパターンが多いため、同じ書面を複数人に送信し締結する場合には、電子契約を一括送信できる機能がある電子契約サービスの方が便利です。
また、契約締結する人数が多い企業であれば、定額料金制の電子契約サービスを選ぶ方が良いですし、契約締結人数が少ない企業であれば、従量課金制の電子契約サービスの方が良いでしょう。
そのほか、必要な機能があれば、その必要なオプション機能が搭載されている電子契約サービスであるかどうか、確認しておく必要があります。
作業をしやすいか
導入した電子契約サービスの操作が難しい場合には、社内における電子契約の利用が進まない可能性が生じることになります。そこで、簡単に操作できる電子契約サービスを導入するようにしましょう。
電子契約サービスを導入する際には、サポート体制が充実しているところを選ぶようにすると、初期設定が分かりにくい場合でも、サポート体制が充実していれば素早く問題を解決できるようになります。
電子契約のおすすめ企業
国内で提供されている電子契約サービスは、20社以上もあります。以下ページでは、各社の料金やプランなどについてご紹介しています。詳細ページでは、メリットやデメリット、クチコミなどを見ることができますので、電子契約サービスを選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
<参考>
各社サービスのご紹介
今回の記事から伝えたいこと
雇用契約書の電子化は、コストを削減でき業務も効率化できるなど、電子化することで多くのメリットを得ることができます。しかし、いくつかのデメリットなど、気を付けたい注意点も存在します。
そこで、本記事で紹介している電子契約を導入する際に確認すべきポイントをよく読んで、自社におけるニーズに合致した電子契約サービスを選ぶようにしましょう。