人材紹介契約書は電子契約できる?電子化の方法や無料テンプレートをご紹介!

2026年02月13日2026年02月13日

人材紹介契約とは

人材紹介契約とは、企業が人材紹介会社に求める人材の「斡旋(あっせん)」を依頼し、人材紹介会社が候補者を紹介する際に企業と人材紹介会社が締結する契約です。
この契約により、人材紹介会社は企業と求職者の「仲介役」となり、人材紹介会社は企業から報酬を得ます。
契約書には、紹介手数料(計算方法、発生条件)、対象となる職種やポジション、職業安定法上の明示義務事項などが明記されます。

人材紹介と人材派遣の違い

「人材紹介」と「人材派遣」は、どちらも外部から人を確保する手段ですが、労働者派遣契約と人材紹介契約は、言葉は似ていますが、「誰が雇い主となるのか」と「どこから給料が支払われるのか」という点が異なります。

人材紹介:あくまで「仲介」となるため、紹介した人材は、その企業の社員となり、人材紹介会社との関係はなくなります。

人材派遣:紹介した人材の雇用主は「派遣会社」のままとなるため、求人企業は派遣会社に「派遣料」を払い、労働者に業務の指示を出します。

人材派遣
(労働者派遣契約)
人材紹介
(人材紹介契約)
根拠法令 労働者派遣法 職業安定法
契約の主体 派遣会社× 派遣先企業 紹介会社 × 求人企業
紹介費用 ランニングコストの支払い
※派遣先企業が毎月派遣会社に支払う
イニシャルコスト(成功報酬)の支払い
※入社決定時に理論年収の約30〜35%を支払う
労働者の
雇用主
派遣会社
※派遣会社の社員として雇用
求人企業
※求人企業が自社の社員として雇用
労働者への
給料の支払い
派遣会社 求人企業
指揮命令権 派遣先企業 求人企業
社会保険等 派遣会社が加入手続きを行う 求人企業が加入手続きを行う

人材紹介と業務委託の違い

人材紹介と業務委託は、自社の業務をしてくれる人を確保するという意味では同じですが、目的と締結される契約形態など、多くの点で、異なります。
人材紹介の目的は、企業に合う人材を紹介してもらい「採用」することが目的です。その際に、人材紹介会社と求人企業との間で人材紹介契約を結び、その後採用された人は雇用契約を結びます。

一方、業務委託の目的は、特定の業務そのものや成果物を外部に委ねることが目的です。企業は、外部の受託先に対して、請負契約や準委任契約を結びます。
人材紹介は、自社で長期に活躍する社員が欲しい時に多く活用され、業務委託は、短期で特定のスキルが必要なものに対して、活用されます。

人材紹介の手数料(報酬)の相場

多くの人材会社が設定する手数料は、採用された決定者の「理論年収」の30〜35%であることが多くなっています。また、入社後、すぐに辞められた時のために返金規定も設けられます。

  • 手数料の相場
    • 一般、ミドル層:30~35%前後
    • ハイクラス、専門職:35~40%(難易度によっては50%にもなる)
    • 新卒、未経験:20~25%前後もしくは、1人あたり定額(50~100万円)
  • 返金規定の相場
    • 1ヶ月未満の退職:紹介手数料の80%前後の返金
    • 3ヶ月未満の退職:紹介手数料の50%前後の返金

理論年収の計算方法

人材紹介の手数料を計算する時に、「理論年収」が基になって、作成されます。算出式には以下になります。

(月次基本給+諸手当)×12ヶ月+賞与(前年度実績など)

理論年収は、求人票に記載される「想定年収」と必ずしも一致するとは限りません。
算出基準(交通費を含めるか等)が曖昧だとトラブルの原因になることもありえます。

※諸手当に含めるもの
役職手当、資格手当、住宅手当など固定で支払われるもの。

※諸手当に含めないもの
残業代、通勤交通費(実費非課税枠のため)は除外するのが一般的です。

人材紹介契約書は印紙税の対象?

結論から言うと、人材紹介契約書に収入印紙を張る必要はありませんので、印紙税の対象にはなりません。
人材紹介は「良質な候補者を仲介すること」を目的とした、委任に近い性質を持っており、「第7号文書」にも該当しないため、不課税に当たります。
請負でなくても継続的な商品の売買や取引の場合、この文書に当たることがありますが、人材紹介はここにも該当されません。電子契約で締結する場合は、そもそも紙の文書が発生しないため、どのような契約であっても印紙税は一切かからないようになっています。

人材紹介契約書に記載すべき項目

①委託業務の内容
求人をしたい企業が人材紹介会社に対して、人材紹介業務を委託する旨を明文化します。具体的な採用条件については、別途示すことが多いです。

②人材紹介手数料(報酬)についての規定

  • 発生条件:内定承諾時か、入社時かなど。
  • 算出方法:理論年収の何%か、交通費を含めるかなど。
  • 支払い時期:請求書の発行日や振込期限。

③早期離職した場合の手数料返還
紹介した人材が自己都合などで早期離職した場合の返金率を、期間(1か月以内、3か月以内、6か月以内など)に応じて設定します。

④直接雇用の禁止(引き抜き禁止)
紹介された候補者を、紹介会社を通さずに直接採用することを禁ずる条項です。有効期間(紹介から1年間が目安)を設けます。

⑤損害賠償
いずれか当事者の契約違反により、相手方に損害が発生した場合の、賠償について範囲も含めて定めておきます。

⑥秘密保持と個人情報について
企業と人材紹介会社との間の、営業秘密に当たる情報についてのルールや、求職者の個人情報について記します。

⑦契約の解除
契約の解除方法を記載します。

⑧その他
反社会的勢力の排除や合意管轄などの一般的な契約に求められる項目についても、しっかりと記します。

トラブルを防ぐためのポイント

  • 紹介手数料の料率と計算基準を明確にする
    紹介手数料の料率(30〜35%程度)を設定するだけではなく、その算定基礎となる「理論年収」の定義を明確にします。残業代や交通費を含めるかどうか、また、入社後の賞与をどう扱うかを、具体的に明文化することで、人材紹介会社と企業の間の齟齬をなくします。
  • 秘密保持についての明文化
    採用プロセスでは、企業の新規事業計画や経営状態など、機密情報に触れる機会があります。これらの情報が外部に漏洩しないよう、守秘義務の範囲と期間を明確に示します。
  • 個人情報の取り扱いについての明文化
    求職者の履歴書や職務経歴書は極めて重要な個人情報です。職業安定法に則り、目的外利用の禁止や、選考終了後の速やかな廃棄、返却ルールを契約書に盛り込むことが重要です。
  • トラブル時の損害賠償や違約金の規定
    万が一、紹介された人材を介さず直接雇用するなどの不正が発覚した場合や、重大な契約違反があった際の損害賠償額、あるいは、違約金について定めておくことで、抑止力に繋がります。

人材紹介契約書は電子契約できる?

人材紹介契約書は、法律上、書面での締結が義務付けられていないため、電子契約で締結することが可能です。電子署名やタイムスタンプを利用することで、紙の契約書と同等の法的効力を持たせることができます。

人材紹介契約書を電子化するメリット

人材紹介契約書を電子化することで、契約締結の迅速化やコスト削減、契約内容変更の柔軟性など、業務全体の効率化が実現します。特に、複数の企業との取引や頻繁な契約条件の見直しが求められる人材紹介業において、電子契約の導入は、事業の成長を支える重要な選択肢となります。

1. 契約締結までのスピードUP
人材紹介契約では、企業側の採用スケジュールに合わせて迅速に契約を締結する必要があります。特に、急募案件や大量採用が必要な場合において、電子契約を導入することで、オンライン上で即時に契約締結が可能になる点はメリットです。

2. 契約内容の一元管理
人材紹介会社は、複数の企業との契約を同時に管理する必要があります。電子化された契約書はクラウド上で一元管理できるため、契約内容や更新時期、保証期間の確認が簡単に行えます。また、検索機能を活用することで、特定の条件を含む契約をすぐに見つけることができ、管理業務の効率が向上します。

3. トラブル防止と法的効力の担保
人材紹介契約では、成功報酬や保証期間に関する解釈を巡るトラブルが発生することがあります。電子契約では、タイムスタンプや改ざん防止機能を利用することで、契約内容の信頼性を高め、法的効力を確保できます。これにより、取引先とのトラブルリスクを未然に防ぐことが可能です。

4. 採用進捗との連動が容易
人材紹介契約書を電子化することで、採用の進捗状況と契約内容をリアルタイムで連動させることが可能です。たとえば、採用決定後に迅速に雇用契約を締結し、報酬請求の手続きまでスムーズに進めることができます。

人材紹介契約書を電子化する方法

人材紹介契約書を電子化するには、契約書の内容をPDF化し、文言を電子契約対応に修正します(電子契約サービス選定後でもOK)。次に、電子署名やタイムスタンプ機能を持つ電子契約サービスを利用して契約を締結し、クラウド上で一元管理します。

▼変更ポイント
●「書面による承諾」等の記載がある箇所の文言を変更
例:書面:書面による承諾が無い限り
電子契約:書面または双方が合意した電磁的措置による承諾が無い限り

●末尾文言(本契約の成立の証として、以降)を変更
例:書面:本書2通を作成し、各自記名押印の上、各1通ずつ保有する。
電子契約:本電子契約書ファイルを作成し、それぞれが電子署名を行う。
     なお、本契約においては、電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、
     同ファイルを印刷した文書はその写しとする。

●押印欄を削除(任意)
電子契約では、押印・捺印は不要となるため、電子契約サービスを使用する場合は、
契約相手の操作の負担になる可能性も考慮しできるだけ削除したほうが良いでしょう。
※これはあくまでも契約相手への考慮となるので、本来は押印・捺印が不要な電子契約でも、契約をした目印にしたい等の場合は削除せずとも問題ありません。

人材紹介契約書 の電子契約用無料テンプレート

既に人材紹介契約書の自社用のテンプレートをお持ちの方は、書類の内容を少し調整するだけで簡単に電子契約で使用できますので、当記事をお役立ていただければ幸いです。

これから人材紹介契約書の作成をされる方もご安心下さい!
当サイトでは、電子契約用に調整した契約書テンプレートをご用意しておりますので、
ぜひこちらもご活用頂ければ幸いです。

【電子契約用】人材紹介契約書をダウンロード(※Wordファイルダウンロード)

※上記ファイルは、あくまでも電子契約用に調整した契約書のサンプルとなりますので、ご利用については弊社では責任を負いかねます。必ず専門家へご相談頂き、内容を自社用に変更・カスタマイズした上でご使用下さい。

電子契約サービスの選び方

人材紹介契約書は電子契約できる書類なので、電子契約サービスを導入することで契約で発生するコストや手間の削減、業務効率改善が叶うかもしれません。
当サイトでは、ニーズ別に電子契約サービスをご紹介していますので、以下記事もぜひご参考下さい。

人材紹介契約書のよくある質問

人材紹介契約って何?

企業が人材紹介会社に自社に合う人材を探して欲しいと依頼する契約です。紹介会社は候補者を仲介します。採用が決まった際に、費用が発生する成功報酬型が一般的です。

人材紹介は必ず契約書を用いて締結しなければなりませんか?

はい、実務上は必須です。職業安定法により、手数料の額や業務内容などを書面等で明示することが義務付けられているため、口頭のみでの契約はトラブルの元となります。

人材紹介の手数料はいつ支払う必要がありますか?

一般的には、紹介された候補者の「入社日」以降に支払います。内定が出た時点ではなく、実際に入社が確定した時点で請求が発生することが多いようです。

人材紹介契約書に印紙税は必要ですか?

原則、不要です。人材紹介契約は「請負」ではなく「準委任(仲介)」の性質を持ちます。そのため、印紙税の課税対象(第2号文書や第7号文書)には該当しないとされています。

人材紹介(職業紹介)の仕組みはいつからあるの?

原型は江戸時代の「口入れ屋(くちいれや)」や「慶庵(けいあん)」にまで遡ります。ただし、民間の有料紹介が原則自由化され、現代のような形になったのは、1999年の職業安定法改正以降です。

人材紹介契約書は電子契約できる?

はい、可能です。法律で「紙」での締結は義務付けられていません。そのため、電子署名等を利用した電子契約を活用することで、手続きのスピードアップが図れます。

人材紹介手数料はなぜ理論年収の30%くらいなの?

主に「完全成功報酬制」というリスクの高さと、マッチングに至るまでの膨大なコスト(広告費、人件費、活動費)が理由にあります。はじめは、高めだと感じる場合もあると思いますが、コストと早期離職等のリスクを考えると、適正価格として設定されています。

理論年収って何?

入社後1年間に支払われると見込まれる総額(月次基本給+諸手当×12ヶ月+賞与)のことです。 残業代(始めから設定されている固定残業代などではないもの)や交通費は除外して計算するのが一般的です。

人材紹介会社って日本にどのくらいある?

厚生労働省の直近の統計(令和5年度)では、民営の職業紹介事業所数は約3.1万件に達しており、過去最多を更新しています。そのため、人材紹介契約書が用いられる回数もさらに多くなっていくことが考えられます。

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