電子契約にかかる費用が最安なのは?契約1件のコストで主要サービスを比較

2023年11月22日2024年01月30日

電子契約にかかる費用が最安なのは?契約1件のコストで主要サービスを比較

契約業務を効率よく行える電子契約サービス。書類の保管スペースが不要となる上、大幅なコスト削減も可能なため、導入する企業が増えています。一方で多彩な機能があり、料金体系が複雑なためサービスの比較が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、サービスを選ぶための手順と、比較しやすい契約数ごとのサービス一覧をご紹介します。自社にコストメリットをもたらす電子契約サービスを選ぶ際の参考にしてください。

電子契約は本当にコストメリットがあるのか?

電子契約サービスを利用した場合、作成のための用紙や印刷費用はもちろん、郵送にかかる封筒や切手代がいらなくなります。加えて契約書など課税文書にかかる印紙代が不要になるため、大幅なコストダウンも見込めます。

また、契約作業に必要な人手や書類を保管するスペースも不要となり、関連費用も削減できます。つまり契約ごとの「印紙代」「郵送代」、作業コストの「人件費」「管理費」が軽減できます。それぞれのコストメリットから見ていきましょう。

コストダウン効果が高いのは「印紙代」「郵送代」

電子契約導入によるコスト削減効果が大きいのは、印紙代が不要になる点です。印紙税は「紙を用いた文書」に課されるため、電子化すれば不要となります。特に印紙が必要な契約が多い企業にとって大きなメリットです。加えて紙の契約書を発送する際の切手代もかかりません。

契約書の印紙税は200円からで、さらに切手代などが不要となるわけですから、電子契約サービスの1通あたりのコストが800円以下であれば、十分にメリットはあると言えるでしょう。

効率化による「人件費」「管理費」削減もメリット

紙の契約書では、契約が多ければ多いほど人件費がかかり、管理費のスペースも必要になります。電子契約にすれば、従来の契約に含まれる印刷や押印、郵送などの煩雑な作業の簡略化が図れます。一連の作業工程に必要にかかる時間がなくなり、業務にかかる人件費も削減できます。

加えて、紙の書類とは異なり、データを電子的に保存する形になるため、保管スペースも特にいりません。管理にかかる手間・時間、コストまで大幅に削減できるメリットがあります。

電子契約サービスの料金の内訳をシンプルに解説

電子契約サービスは、それぞれ独自の料金体系を持っているため、料金を比較しにくいのが難点です。そこで、まず電子契約サービスの基本的な費用内訳を紹介します。

電子契約サービスの料金の基本構成 <月額基本料金 + 従量課金 + オプション>

電子契約サービスごとに、何を従量課金にして、どの機能をオプションにするかが違っています。まずはこの内訳をベースとして、各サービスの料金の内容を把握しましょう。要素に分けて見ていくことで、料金体系の特徴が把握しやすくなります。

下記は従量課金とオプションの内容をまとめた表です。従量課金をなくし、契約数とアカウント数に応じて月額基本料金を定めたプランを提供しているサービスもあります。

月額基本料金 従量課金 オプション
  • ・システム使用料
  • ・1通ごとの送信料(55円~)
  • ・1通ごとのタイムスタンプ
  • ・1通ごとの電子署名
  • ・電子契約書の保管料
  • ・保管のストレージ量
  • ・ユーザー数の追加
  • ・社内フロー機能
  • ・SMS送信機能
など

ここに注意!費用が高くなるポイントをチェック

月額基本料金を安価に抑えているサービスでも、従量課金やオプション料金を追加するとトータルの費用が高くなることもあります。サービス全体の費用が高くなってしまう理由と見極めポイントを3つ解説します。

契約数が少ない場合の「月額基本料金」は適当か

自社で扱う契約数が少ない場合、月額基本料金が高くつくことがあります。契約数に制限がないサービスでは、月額基本料金は1万円前後に設定されている場合がほとんどで、月の契約数が少ないと1通あたりのコストが高くなってしまいます。

自社で扱う契約が少ないのなら、契約数の上限にこだわらずに基本料金がリーズナブルなプランを選んだほうがお得です。

「従量課金」の金額はリーズナブルか

月あたりの契約数が多い場合は、従量課金の有無がコストアップにつながります。電子契約サービスの多くが110~220円の従量課金を採用しています。自社で締結する契約数が多いのであれば、従量課金がないサービス、もしくは220円以内のところを選ぶことを推奨します。

「オプション料金」に必須の機能が含まれていないか

電子契約に必須の機能が追加オプションに含まれているサービスは要注意です。電子契約には、本人性を担保する「電子署名」と非改ざん性を担保する「タイムスタンプ」が不可欠です。さらに電子契約の保管に関する法律「電子帳簿保存法」では、契約データを検索ができる状態で保管するようルールが定められています。

これらの電子契約に必須の機能に関しては、最初から月額料金に含まれているサービスを利用したほうが安心できます

費用の比較に必須の自社シミュレーションの方法

電子契約サービスの費用に関する基本的な部分はおわかりいただけたと思います。次に、自社の業務内容でシミュレーションをしてみましょう。

電子契約サービスは「契約数」「ユーザー数」に制限があります。その数で費用が異なるため、自社に必要な数値をしっかり把握し、想定した内容に最も適したサービスを選ぶことが大切です。

次の3つのステップでシミュレーションを進めます。

必要な月の契約数を把握する

電子契約サービスを選ぶ際、月の契約数は目安の1つです。これまでの自社の契約の状況を確認し、印紙代、郵送代なども把握しておくとコストの比較がしやすくなります。

ユーザー数と運用のイメージを決める

ユーザー数にも着目しましょう。一人のユーザーで契約にかかわるすべての作業を終えるのか、部署ごとにチームを作って対応するのか。部署別の対応であれば、アカウント数はいくつにするか。社内の承認フローは必要か、など運用上の方針を定めておきましょう。

想定した内容に合うサービスを選ぶ

月の契約数、必要なアカウント数が決定したら、適したサービスやプランを絞り、比較します。コスト面での比較については、先ほどご紹介したチェック項目も忘れずに確認しましょう。契約1件あたりのコストを算出し、比較するのがおすすめです。不要なシステム使用料などがかかるのを防ぐことができます。

【契約数別】主要サービス9社を1件あたり費用で比較

ここからは、主要な電子契約サービス9社の費用を、契約数別に比較して見ていきましょう。それぞれ10通、50通、100通のケース別に表にしてみました。

コストをわかりやすく比較するため、電子契約に必須の「タイムスタンプ・電子署名」と「電子的保管」を利用する場合の契約1件あたりのコストを算出しています。

月の契約数10件の場合の主要サービス比較

クラウドコントラクト freeeサイン 契約大臣 クラウドサイン GMOサインのロゴ WAN-Sign BtoBプラットフォーム契約書 Sign Time Great Sign
サービス名 クラウドコントラクト freeeサイン 契約大臣 クラウドサイン 電子印鑑GMOサイン WAN-Sign BtoBプラットフォーム契約書 Sign Time Great Sign
プラン名 スタータープラン スタータープラン スタータープラン ライト
(個人事業主・小規模向け)
契約印&実印プラン 無料プラン シルバープラン エントリープラン (ワンプランのみ)
月額基本料金 2,178円 1,078円 2,020円 11,000円 9,680円 0円 11,000円 1,078円 8,580円
従量課金 なし なし なし 220円/1件 当事者型330円 / 件
立会人型110円 / 件
なし 通常署名55円/件
長期署名165円/件
なし 165円/件
締結可能件数 10件/月
(以降110円/件)
10件/月 10件/月 無制限 無制限 本人型3件/月
立会人型10件/月
無制限 10件/月 無制限
契約1件あたりの料金 217.8円 (電子署名を用いた場合)
327.8円
(電子署名を用いた場合)
422円
(月10件で計算した場合)
1,320円
(月10件で計算した場合)
当事者型1,298円
立会人型1,078円
累計10件まで0円
※11件以上5000件までは
保管料11,000円/月がかかる
(月10件で計算した場合)
通常署名1,155円
長期署名1,264円
(電子署名・タイムスタンプを
用いた場合)
217.8円
(月10件で計算した場合)
1,023円
電子署名
タイムスタンプ
〇 △(タイムスタンプのみ)
電子署名はオプション
220円/1通
△(タイムスタンプのみ)
電子署名はオプション
220円/1件
〇 〇 〇 〇 ×電子署名・タイムスタンプは
オプション
110円/件(10通単位で購入)
〇
アカウント上限 1アカウント
(以降追加550円)
1アカウント 1アカウント 無制限 無制限 無制限 無制限 3アカウント 無制限
データ管理 2GBまで無料
*2GB以降は1GB1,000円/月
無制限 無制限 無制限 無制限 累計10件まで無料
5000件ごとに11,000円/月
保管は3件/月まで
*それ以上はゴールドプラン
無制限 無制限
相手方の
アカウント登録
不要 不要 不要 不要 当事者型の場合は必要 本人型の場合は必要 必要 不要 不要
文書保管検索機能 〇 〇 〇 〇 〇 △(保管は10件まで) △(保管は3件まで) 〇 〇
テンプレート機能 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇
一括送信 〇(30件まで) × × 〇 〇 〇 〇 × ×
サポート 電話・メール
チャット・Web会議
メール・チャット 電話・メール
チャット
チャット 電話・メール
チャット
電話
メール
メール
チャット
フォーム 電話
メール

月の契約数50件の場合の主要サービス比較

クラウドコントラクト freeeサイン 契約大臣 クラウドサイン GMOサインのロゴ WAN-Sign BtoBプラットフォーム契約書 Sign Time Great Sign
サービス名 クラウドコントラクト freeeサイン 契約大臣 クラウドサイン 電子印鑑GMOサイン WAN-Sign BtoBプラットフォーム契約書 Sign Time Great Sign
プラン名 ライトプラン ライト ベーシックプラン コーポレートプラン 契約印&実印プラン 有料プラン ゴールドプラン ビジネスプラン (ワンプランのみ)
月額基本料金 4,378円 5,478円 6,050円 30,800円 9,680円 0円 33,000円 9,460円 8,580円
従量課金 なし なし なし 220円/1件 当事者型330円 / 件
立会人型110円 / 件
本人型330円/件
立会人型110円/件
通常署名55円/件
(100通/月まで無料)
長期署名165円/件
なし 165円/件
締結可能件数 50件/月
(以降33円/件)
50件/月 50件/月 無制限 無制限 無制限 無制限 50件/月 無制限
契約1件あたりの料金 87.56円 (電子署名を用いた場合)
329.56円
(電子署名を用いた場合)
341円
(月50件で計算した場合)
836円
(月50件で計算した場合)
当事者型523.6円
立会人型303.6円
(月50件・すべての契約書
を保管した場合)
本人型550円~
立会人型330円~
(月50件で計算した場合)
通常署名715円
長期署名825円
(電子署名・タイムスタンプを
用いた場合)
217.8円
(月50件で計算した場合)
336.6円
電子署名
タイムスタンプ
〇 △(タイムスタンプのみ)
電子署名はオプション
220円/1通
△(タイムスタンプのみ)
電子署名はオプション
220円/1件
〇 〇 〇 〇 ×電子署名・タイムスタンプは
オプション
110円/件(10通単位で購入)
〇
アカウント上限 5アカウント
(以降追加550円)
1アカウント
(追加2カウントまで)
無制限 無制限 無制限 無制限 無制限 無制限 無制限
データ管理 2GBまで無料
*2GB以降は1GB1,000円/月
無制限 無制限 無制限 無制限 累計10件まで無料
5000件ごとに11,000円/月
〇 無制限 無制限
相手方の
アカウント登録
不要 不要 不要 不要 当事者型の場合は必要 本人型の場合は必要 必要 不要 不要
文書保管検索機能 〇 〇 〇 〇 〇 △(保管は従量課金) 〇 〇 〇
テンプレート機能 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇
一括送信 〇(30通まで) × × 〇 〇 〇 〇 × ×
サポート 電話・メール
チャット・Web会議
電話・メール
チャット
電話・メール
チャット
チャット 電話・メール
チャット
電話
メール
メール
チャット
フォーム 電話
メール

月の契約数100件の場合の主要サービス比較

クラウドコントラクト freeeサイン 契約大臣 クラウドサイン GMOサインのロゴ WAN-Sign BtoBプラットフォーム契約書 Sign Time Great Sign
サービス名 クラウドコントラクト freeeサイン 契約大臣 クラウドサイン 電子印鑑GMOサイン WAN-Sign BtoBプラットフォーム契約書 Sign Time Great Sign
プラン名 スタンダードプラン ライトプラス プレミアムプラン コーポレートプラン 契約印&実印プラン 有料プラン ゴールドプラン ビジネスプラン (ワンプランのみ)
月額基本料金 8,228円 21,780円 9,075円 30,800円 9,680円 0円 33,000円 9,460円 8,580円
従量課金 なし なし なし 220円/1件 当事者型330円 / 件
立会人型110円 / 件
本人型330円/件
立会人型110円/件
通常署名55円/件
(100通/月まで無料)
長期署名165円/件
なし 165円/件
締結可能件数 100件/月
(以降33円/件)
無制限 100件/月 無制限 無制限 無制限 無制限 50件/月
(超過分は110/件・10通単位で購入)
無制限
契約1件あたりの料金 82.28円 (月100件で、電子署名を用いた場合)
437.8円
(電子署名を用いた場合)
310.75円
(月100件で計算した場合)
528円
(月100件で計算した場合)
当事者型426.8円
立会人型206.8円
(月100件・すべての契約書
を保管した場合)
本人型440円~
立会人型220円~
(月100件で計算した場合)
通常署名330円
長期署名495円
(月100件、電子署名・
タイムスタンプを用いた場合)
220円
(月100件で計算した場合)
250.8円
電子署名
タイムスタンプ
〇 △(タイムスタンプのみ)
電子署名はオプション
220円/1通
△(タイムスタンプのみ)
電子署名はオプション
220円/1件
〇 〇 〇 〇 ×電子署名・タイムスタンプは
オプション
110円/件(10通単位で購入)
〇
アカウント上限 10アカウント
(以降追加550円)
1アカウント
(追加2カウントまで)
無制限 無制限 無制限 無制限 無制限 無制限 無制限
データ管理 2GBまで無料
*2GB以降は1GB1,000円/月
無制限 無制限 無制限 無制限 累計10件まで無料
5000件ごとに11,000円/月
〇 無制限 無制限
相手方の
アカウント登録
不要 不要 不要 不要 当事者型の場合は必要 本人型の場合は必要 必要 不要 不要
文書保管検索機能 〇 〇 〇 〇 〇 △(保管は従量課金) 〇 〇 〇
テンプレート機能 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇
一括送信 〇(30通まで) 〇 × 〇 〇 〇 〇 × ×
サポート 電話・メール
チャット・Web会議
電話・メール
チャット
電話・メール
チャット
チャット 電話・メール
チャット
電話
メール
メール
チャット
フォーム 電話
メール

この記事のまとめ

電子契約サービスの利用により、業務効率化やコスト削減など多くのメリットが得られます。サービスを選ぶ際には、費用の単純な比較ではなく、必須項目である「電子署名」と「タイムスタンプ」、また「保管」費用の扱いがどうなっているかを把握しておくことが重要です。

また、自社の契約数、ユーザー数を確認してサービスを選ばなければ、かえってコストが高くなる可能性もあります。しっかりと運用シミュレーションを行い、自社に適したサービスを選ぶことをおすすめします。

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