システム開発契約は電子契約できる?電子化の方法や無料テンプレートをご紹介!

2025年11月27日2025年11月27日

システム開発契約とは

システム開発契約とは、発注者(ユーザー企業)と受注者(システム開発会社)間で締結される契約です。ソフトウェアやWebアプリケーション、業務システムなどの開発における条件を明確に取り決めるもので、知的財産権の帰属や納品後の責任範囲など、多岐にわたる事項を取り決める非常に重要な契約です。
システム開発契約の契約書には、開発期間、納品物の仕様、費用、支払条件、保守サポートの範囲などが詳細に記載されます。

システム開発契約の種類

システム開発契約は、民法上で主に以下の2種類に分類されます。

1:完成を目的とする【請負契約】
仕様が明確で、開発範囲が固定されている場合(例:パッケージ製品に近いシステム開発)は、請負契約が適切です。受注者は、契約で定めたシステムを完成させる義務を負います。発注者は、完成したシステムを受け取ってはじめて報酬を支払う義務が発生します。

2:作業の実施を目的とする【準委任契約】
要件が流動的で、仕様変更が多い場合や、調査・設計フェーズ、またはアジャイル開発の場合には、準委任契約が適切です。受注者は、システムを完成させる義務ではなく、契約で定めた業務(作業)を実施する義務を負います(善管注意義務)。完成しなくても、作業時間や工数に応じて報酬が支払われます。

システム開発契約書に記載すべき条項

システム開発契約書は、トラブルを未然に防ぎ、開発を円滑に進めるための重要な文書です。特に以下の事項は、明確に記載する必要があります。

分類 記載すべき主な事項 ポイント
開発の基本事項 開発するシステムの名称と概要 認識のズレがないよう具体的に定義します。
開発方式の特定 請負契約か準委任契約か、どちらの契約形態を取るかを明記します。
開発期間 各フェーズ(要件定義、設計、製造、テスト)の開始日と完了日(納品日)。
対価(報酬額) 開発費用(見積金額)、支払い方法、支払い期日。
納品・検収 納品物 完成したシステム、設計書、ソースコード、マニュアルなど、具体的にリストアップします。
検収手続き 発注者がシステムを受け取り、契約通りの品質か確認する期間(検収期間)や方法。
検収完了をもって報酬支払い義務が発生するのが一般的です。
知的財産権 著作権の帰属 開発したシステムの著作権(特にソースコード)を受注者と発注者のどちらに帰属させるかを明確に定めます。
通常、対価を支払う発注者側への譲渡を定めます。
既存著作物の利用許諾 開発に用いる既存のソフトウェアやオープンソースの取り扱い。
責任と保証 瑕疵担保責任/契約不適合責任 納品されたシステムに不具合があった場合の無償修補期間、責任の範囲、期間を定めます
(民法改正により「契約不適合責任」に)。
損害賠償 受注者が契約違反をした場合の賠償の上限額(責任限定条項)。
秘密保持義務 開発を通じて知り得た機密情報の取り扱い。
その他 仕様変更の手続き 開発途中で仕様変更が生じた際の費用負担、納期への影響、変更承認のプロセスを定めます。
トラブルの最たる原因となるため、特に重要です。
再委託 受注者が開発業務の一部を第三者に委託する場合の可否と条件。
契約解除 契約違反があった場合の契約解除条件。

システム開発契約書は電子契約できる?

システム開発契約書は電子契約で利用可能です。法律上、書面での締結が義務付けられていないため、電子署名やタイムスタンプを利用すれば、法的効力を十分に担保できます。

システム開発契約書を電子化するメリット

1. 契約締結までのスピード感
システム開発プロジェクトでは、契約締結が遅れると全体のスケジュールに影響を及ぼすことがあるため、オンライン上の契約締結が便利です。

2. 変更・更新への柔軟な対応
システム開発契約は、プロジェクト進行中に要件変更やスコープの調整が発生することが多くあります。電子契約では、契約内容の変更や更新が簡単に行えて、合意を素早く取れます。

3. 複数契約の効率的で分かりやすい管理
システム開発契約では、基本契約に加えて個別の開発契約が複数発生することがあります。これらを電子化し、クラウド上で一元管理することで、契約書の検索や確認が容易になり、管理の手間が大幅に削減されます。契約更新のタイミングや納期の管理も効率的に行えます。

4. 知的財産権や秘密保持の安全管理
システム開発契約では、開発物に関する知的財産権の取り扱いや、業務遂行中に得た機密情報の保護が重要です。電子契約では、アクセス制限やデータ暗号化、タイムスタンプ機能により、これらの情報を安全に取り扱うことができます。

5. 遠隔地の取引先にも対応可能
システム開発では、クライアントが国内外に広がる場合があります。電子契約であれば、物理的な距離に関係なく契約を締結できるため、海外のクライアントやリモート環境でのプロジェクト進行がスムーズになります。

6.システム開発契約書特有のメリット
複雑な要件を明確化できるため、 契約内容が詳細かつ変更頻度が高いシステム開発では、電子化により変更の追跡や管理が容易になります。
また、管理がスムーズになるため 電子契約は納品や進捗の節目ごとの契約管理に適しており、プロジェクトの透明性を高めます。
クライアント、ベンダー、サードパーティなど複数の関係者が関与する場合でも、電子化により契約締結が効率化できるため、プロジェクト関係者1人1人の調整が簡単になります。

システム開発契約書を電子化する方法

システム開発契約書を電子化するには、契約書の内容をPDF化し、文言を電子契約対応に修正します(電子契約サービス選定後でもOK)。次に、電子署名やタイムスタンプ機能を持つ電子契約サービスを利用して契約を締結し、クラウド上で一元管理します。
以下では、システム開発契約書を電子契約用に変更するポイントをご紹介します。

電子化のための変更ポイント

●「書面による承諾」等の記載がある箇所の文言を変更
例:書面:書面による承諾が無い限り
電子契約:書面または双方が合意した電磁的措置による承諾が無い限り

●末尾文言(本契約の成立の証として、以降)を変更
例:書面:本書2通を作成し、各自記名押印の上、各1通ずつ保有する。
電子契約:本電子契約書ファイルを作成し、それぞれが電子署名を行う。
     なお、本契約においては、電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、
     同ファイルを印刷した文書はその写しとする。

●押印欄を削除(任意)
電子契約では、押印・捺印は不要となるため、電子契約サービスを使用する場合は、
契約相手の操作の負担になる可能性も考慮しできるだけ削除したほうが良いでしょう。
※これはあくまでも契約相手への考慮となるので、本来は押印・捺印が不要な電子契約でも、契約をした目印にしたい等の場合は削除せずとも問題ありません。

【電子契約用】システム開発契約書無料テンプレート

※上記ファイルは、一般的な請負契約(完成責任を伴う)を前提としています。
※上記ファイルは、あくまでも電子契約用に調整した契約書のサンプルとなりますので、ご利用については弊社では責任を負いかねます。必ず専門家へご相談頂き、内容を自社用に変更・カスタマイズした上でご使用下さい

電子契約サービスの選び方

システム開発契約書は電子契約できる書類なので、電子契約サービスを導入することで契約で発生するコストや手間の削減、業務効率改善が叶うかもしれません。
当サイトでは、ニーズ別に電子契約サービスをご紹介していますので、以下記事もぜひご参考下さい。

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