【新】コンサルティング契約は電子契約できる?電子化の方法や無料テンプレートをご紹介!

2025年12月23日2025年12月23日

コンサルティング契約とは

コンサルティング契約とは、企業や個人が専門的な知識やスキルを持つコンサルタントに業務の助言や支援をしてもらう際に締結される契約です。経営戦略、IT導入、マーケティング支援、M&Aなど、幅広い分野でコンサルティング契約が結ばれています。
依頼者(クライアント)とコンサルタントの間で、具体的な業務内容や報酬、期間、守秘義務などを明確に取り決め、契約書として取り交すことで、双方が信頼関係を構築し、業務を安心して進めることが可能になります。
※似た名称の契約として「アドバイザリー契約」がありますが、コンサルティング契約とアドバイザリー契約は、名称が違うのみで本質的な違いはありません。

コンサルティング契約の種類

コンサルティング契約は、業務の性質に応じて、主に準委任契約、委任契約、請負契約の3種類に分けられます。どれも民法に基づいた契約形態になっています。委任と請負については民法第643〜656条が主な内容です。

【参照:民法|e-Gov 法令検索
契約の法的性質:準委任契約が基本

コンサルティング契約の法的性質を見分けるポイント

コンサルティング契約は主に「準委任契約」となるパターンが多いものとなりますが、「準委任契約」「委任契約」「請負契約」のどれに該当するかを確認するポイントは、「何を委託しているか」と「結果に対する責任を負うか」という点です。

契約の種類 結果の達成義務 報酬の発生条件 責任の範囲
請負契約 義務がある(完成義務) 「仕事の完成」に対して支払われる。 契約不適合責任(完成物が仕様を満たさない場合の無償修補など)を負う。
準委任契約 義務がない 「事務処理の遂行」(作業自体や工数)に対して支払われる。 善管注意義務(善良な管理者としての注意を払う義務)の違反責任を負う。
委任契約 義務がない 「事務処理の遂行」に対して支払われる。 善管注意義務の違反責任を負う。

多くのコンサルティング業務(特に戦略や経営アドバイス)は、「助言」や「指導」が主であり、クライアントの業績向上という結果を約束するものではないため、準委任契約となります。ただし、成果物の納品を強く義務付けた部分は、請負契約の性質を持ちます。

委任契約と準委任契約は、どちらも結果の達成義務がなく、善管注意義務を負う点で似ていますが、委任契約は法律行為を委託する契約、準委任契約は法律行為ではない事務を委託する契約です。

コンサルティング契約書は印紙税の対象になる?

コンサルティング契約書が印紙税の対象となるかは、契約形態によって異なります。

①請負契約の場合
契約書の内容が請負契約である場合、印紙税の課税対象に当たります。特定の仕事の完成(物品の納品など)を目的とする契約です。そのため、経済的な金銭や物件の取引があるとして、印紙税法上の第2号文書「請負に関する契約書」に該当します。契約書に記載された契約金額に応じて、所定の印紙税額を納める必要があります。

【参照:国税庁|No.7102 請負に関する契約書

②委任契約・準委任契約の場合
契約書の内容が委任契約・準委任契約の場合、原則として印紙税の対象になりません。委任契約は、仕事の完成ではなく業務の遂行が目的です。この場合、印紙税法上の課税文書の要件に当てはまりません。

【参照:国税庁|No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

コンサルティング契約書に記載する内容

コンサルティング契約で準委任契約(結果ではなく事務処理の遂行を目的とする)として締結する場合、その特性を踏まえた項目を明確に定める必要があります。
特に業務の範囲、報酬の条件、および成果への責任範囲については、後のトラブルを防ぐためにも具体的に記載しましょう。

コンサルティング契約書(準委任)に記載すべき条項

分類 記載すべき主な事項 重要なポイント(準委任の特性)
基本合意 契約の目的 経営課題の解決、戦略の立案支援など、「助言・指導」が目的であることを明確化。
契約の形態 準委任契約であることを明記し、「善管注意義務」を負うことを確認する。
委託期間 プロジェクトの開始日と終了日、または顧問契約の場合は期間と自動更新の有無。
業務内容 委託業務の範囲 最も重要。提供するサービス(調査、分析、助言、会議への出席、資料作成など)を具体的にリスト化する。「結果の保証はしない」旨を明記する場合もある。
成果物(納品物) 業務遂行過程で作成する資料(レポート、提案書、会議議事録など)の種類と提出時期。
コンサルタント 担当するコンサルタント(またはチーム)の名称や資格。
報酬 報酬額 月額固定報酬(顧問料)、または工数(時間単価)に基づく算出方法、プロジェクト単位の定額(フィー)。
費用の負担 交通費、宿泊費、資料作成費用、外部調査費用などの実費をどちらが負担するか。
支払条件 報酬の請求方法、支払い期日。
責任と義務 善管注意義務 コンサルタントが専門家として、善良なる管理者の注意をもって業務を遂行する義務を負うことを定める。
協力義務 クライアント側(委託者)が、必要な情報提供や会議への参加など、業務遂行に必要な協力を行う義務。
秘密保持義務 業務上知り得た相手方の機密情報(財務情報、技術情報など)の取り扱い。
権利の帰属 成果物(レポート、提案資料など)の著作権や知的財産権の帰属先。通常は対価の支払いをもってクライアントに帰属させる。
損害賠償 契約違反があった場合の賠償責任の範囲と上限(通常は「受領済みの報酬額を上限とする」などと限定する)。
解除・その他 中途解約 準委任契約は原則としていつでも解除可能(民法第651条)だが、損害賠償責任が発生し得るため、中途解約時のルール(通知期間、報酬精算方法など)を定めておく。
反社会的勢力の排除 契約当事者が反社会的勢力ではないことの確認。
準拠法・管轄裁判所 契約の解釈に適用される法律と、紛争解決のための裁判所。

コンサルティング契約書は電子契約できる?

コンサルティング契約書は電子契約で利用可能です。法的に書面での契約を行うことが義務付けられていないため、電子署名やタイムスタンプを利用することで、紙の契約書と同じ法的効力を持たせることができます。

コンサルティング契約書を電子化するメリット

1. 契約締結までのスピード改善
コンサルティング契約は、プロジェクト開始までの期間が短い場合や、迅速な対応が求められるケースが多くあります。電子契約を利用することで、オンライン上で即時に契約を完了できるため、業務の開始がスムーズになります。

2. 契約内容の変更や更新が容易
コンサルティング契約は、契約期間中に業務内容や条件が変更される場合が多くあります。電子契約であれば、変更内容を迅速に反映し、再契約や付随書類の送信が容易になるため、柔軟な契約管理が可能です。

3. プロジェクトごとの契約管理が効率化
コンサルティング業務では、複数のクライアントやプロジェクトを並行して進めることが一般的です。電子契約を利用することで、契約書をクラウド上でプロジェクト別に整理・管理でき、契約の進捗状況や履歴を一目で把握できます。

4. 守秘義務の管理と強化
コンサルティング契約には、守秘義務(NDA)が含まれる場合がほとんどです。電子契約では、契約書へのアクセス権限を限定できるため、機密情報の取り扱いがより安全になります。さらに、データ暗号化もあり情報の漏洩リスクを最小限に抑えることが可能です。

5. グローバル案件への対応
海外企業との契約や、国際的なプロジェクトを進める場合、電子契約が非常に有効です。時差や言語の壁を超え、契約締結をスムーズに行うことができます。多言語対応サービスを利用すれば、複数国の法律に準拠した契約書を簡単に作成・管理することが可能です。

6.コンサルティング契約書特有のメリット

  • ・短納期への対応: プロジェクト開始までの時間が短い案件にも迅速に対応可能。
  • ・頻繁な更新への対応: プロジェクト進行に伴う契約変更や追記を効率化。
  • ・複数クライアント対応: 同時に複数の契約を進行・管理できる。

コンサルティング契約書を電子化する方法

コンサルティング契約書を電子化するには、契約書の文言を電子契約対応に修正し、PDF化します。(電子契約サービス利用後でもOK)。次に、電子署名やタイムスタンプを付与できる電子契約サービスを利用し、契約を締結します。最後にクラウド上で安全に管理します。

電子化のための変更ポイント

●「書面による承諾」等の記載がある箇所の文言を変更
例:書面:書面による承諾が無い限り
電子契約:書面または双方が合意した電磁的措置による承諾が無い限り

●末尾文言(本契約の成立の証として、以降)を変更
例:書面:本書2通を作成し、各自記名押印の上、各1通ずつ保有する。
電子契約:本電子契約書ファイルを作成し、それぞれが電子署名を行う。
     なお、本契約においては、電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、
     同ファイルを印刷した文書はその写しとする。

●押印欄を削除(任意)
電子契約では、押印・捺印は不要となるため、電子契約サービスを使用する場合は、契約相手の操作の負担になる可能性も考慮しできるだけ削除したほうが良いでしょう。
※これはあくまでも契約相手への考慮となるので、本来は押印・捺印が不要な電子契約でも、契約をした目印にしたい等の場合は削除せずとも問題ありません。

【コンサルティング契約書】電子契約用無料テンプレート

既にコンサルティング契約書の自社用のテンプレートをお持ちの方は、書類の内容を少し調整するだけで簡単に電子契約で使用できますので、当記事をお役立ていただければ幸いです。

これからコンサルティング契約書の作成をされる方もご安心下さい!
当サイトでは、電子契約用に調整した契約書テンプレートをご用意しておりますので、ぜひこちらもご活用頂ければ幸いです。

※上記ファイルは、あくまでも電子契約用に調整した契約書のサンプルとなりますので、ご利用については弊社では責任を負いかねます。必ず専門家へご相談頂き、内容を自社用に変更・カスタマイズした上でご使用下さい。

電子契約サービスの選び方

コンサルティング契約書は電子契約できる書類なので、電子契約サービスを導入することで契約で発生するコストや手間の削減、業務効率改善が叶うかもしれません。
当サイトでは、ニーズ別に電子契約サービスをご紹介していますので、以下記事もぜひご参考下さい。

まとめ

コンサルティング契約書を電子化することにより、契約締結の迅速化、コスト削減、業務効率化など、多くのメリットを享受できます。特に、コンサルティング特有の柔軟性や迅速さが求められる場面においては、契約書の電子化が最適な選択といえるでしょう。これにより、プロジェクト運営の円滑化と信頼性の向上を実現できます。

コンサルティング契約のよくある質問

コンサルティング契約書は電子契約できる?

はい、コンサルティング契約書は電子契約できます。今現在、日本の法律では、ほとんどの契約書について電子データでの締結が許可されており、書面で締結しなければならないものはごく僅かです。

コンサルティング契約書は、いつ・だれが作る?

コンサルティング契約書は、契約締結の「直前」に「コンサルタント側」によって作成されることが一般的です。
具体的な流れは、まず、コンサルタントがクライアントに提案書を提出します。その内容(業務範囲・期間・費用など主要事項)について口頭またはメールでクライアントから合意が得られた段階で、提案書の内容を法的に落とし込む形で契約書を作成します。
また、コンサルタントが主導する理由として、自社に有利かつリスクを最小限に抑えるための条項を把握し盛り込む必要があることも挙げられます。

委任(準委任)契約と請負契約にはどんな違いがあるの?

委任契約と請負契約の最も分かりやすい違いは、仕事の結果に対して責任が問われるかどうかという点です。委任契約は、依頼された業務の遂行という行為に対して報酬が発生し、結果の成否は問われません。逆に請負契約は、仕事の成果物が引き渡されたことに対して報酬が発生し、結果の成否が問われます。

コンサルティング契約書は必ず作成しないとダメ?

法律上、必ずしも契約書の作成は義務付けられていません。大多数の契約は、当事者の双方が合意していれば、口約束でも契約は成り立つとされています。(民法522条)
【参照:民法|e-Gov 法令検索
契約の成立に、契約書の作成・取交しが必要である要式契約も一部あるので、気になる方は調べてみてください。

コンサルティング契約書に法的効力はあるの?

はい、正しく記載されたコンサルティング契約書は、法的効力があります。以下の条件を押さえて正しく記載することが重要です。
①当事者の合意
②契約能力▶契約当事者が、法律上の契約を結ぶ能力を持っていること。※未成年者などではないこと。
③内容の適法性▶契約内容が公的良俗に反していない、日本の法律に適合していること。
④契約内容の明確性▶主要な条項に曖昧さがなく明確に記載されていること。

善管注意義務ってなに?

「善良な管理者としての注意義務」の略で、業務を委託された人(受任者)が、その職業や社会的地位において通常期待される、高度な注意を持って業務を処理しなければならない義務を指します。民法644条に規定があります。
【参照:民法|e-Gov 法令検索
例えば、専門知識を持つコンサルタントであれば、その専門家(プロ)として通常期待されるレベルの注意を持って業務を行う責任があります。この義務を怠ると、損害賠償責任を問われる可能性があります。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)ってなに?

瑕疵担保責任とは、契約を結んだ側(請負人や売主)が負う法律上の責任のことです。
主に請負契約などにおいて、納品された成果物や引き渡された物品に隠れた欠陥(瑕疵)があった際に適応されます。この場合、クライアントはコンサルタントは以下の権利を行使できます。
①契約の解除
②損害賠償の請求
また、2020年の民法改正により契約不適合責任という名称に変わっています。

コンサルティング契約とアドバイザリー契約の違いって?

名称が異なるだけでほぼ同義と扱って問題ありません。
ただ、より詳細に述べると、コンサルティング契約は、比較的短期で、時には社内チームと協働しながらプロジェクトを進めます。これに対してアドバイザリー契約は、継続的な関係性でアドバイザーが知見やノウハウを提供します。実行段階には関与しません。
ただし、この契約の違いについては、ニュアンスを感じ取るだけでも十分です。

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