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電子契約の基礎知識

リモートワークの促進以降、脱ハンコによる業務効率化・
感染症対策の手段として、ますます注目の集まる電子契約。
とはいえ「電子契約って何」という方もまだまだ多いはず。
ここでは、電子契約について基本的な情報をお伝えします。

2023年12月11日2026年04月09日

そもそも、電子契約って何?

従来、企業間で商品やサービスの売買を行う際には紙の契約書で契約を交わしていました。紙の契約書に契約者同士が署名捺印することで双方の合意が成立したという証になるわけです。仮に契約後に契約不履行などのトラブルがあり、裁判になったとしても、契約書が証拠となります。

一方、電子契約は紙の代わりにパソコンで契約書のデータをやり取りして契約を結ぶやり方です!早速詳細を確認してみましょう!

紙の契約書との違い

電子契約 紙の契約書
形式 電子データ 紙に印字された書面
押印 電子署名 押印もしくはサイン
印紙 不要 必要
送付方法 インターネットによる送信 持参、もしくは郵送
保管先 サーバー(主に自社・社外も含む) 書棚、倉庫など
法的証拠力 本人電子署名があれば効力あり 効力あり

紙の契約書の場合、契約が締結されるまでに「作成」「相手との受け渡し」などで時間も手間もかかりますが、電子契約の場合は手間がかからずスムーズ。また、物理的な保管場所も印紙も不要。経費を抑えることにもつながるため、ますます注目を集めています!

電子契約の法的効力(タイムスタンプとは)

とても便利な電子契約ですが、気になるのがその法的証拠力。

従来は、安全性のために紙の契約書に印鑑を押していましたが、電子契約では「電子署名」と「タイムスタンプ」という2つの機能によって安全性を保っています。

電子契約では押印する代わりに「電子署名」を付与して署名者本人が締結したことを証明します。さらに、「タイムスタンプ」を付与することで契約書が「いつ」締結されたかを記録されるため非改ざん性を担保します。

電子契約のメリット

経費の削減、業務の効率化などメリットが多数得られる電子契約。これから導入を検討されているご担当者のために、これらのメリットについて具体的に解説いたします。

01印紙税、郵送料などのコストを削減!

紙の契約書を締結する際には、印紙税がかかります。たとえば、「3千万円を超え5千万円以下は1万円」など、契約金額が大きくなればなるほど印紙税も増えていき、その他にも郵送代がかかります。

取引先が多い企業の場合、相当なコストがかかっているはずですが、電子契約にすれば、印紙税も郵送代も不要となるため、これらのコストを大幅に削減することができます。

02業務の効率化が実現!

紙の契約の場合、契約書作成から締結まで、そして契約締結後にも複数の細かい作業が必要であり業務フローが煩雑でした。しかし、電子契約にした場合、これら全ての作業をパソコンで完結させることができるため、楽に、そしてスムーズな流れで業務を行うことが可能となります。

作成、締結から保管・管理に至るまでの面倒な作業を簡略化できるので、作業スピードがアップし人件費の削減にもつながります。

03保管スペースが不要に

紙の契約書の場合、それらを保管しておくスペースが必要でした。しかし、電子契約の場合、自社のサーバー内、もしくは電子契約サービス会社を活用した場合は社外の安全なデータセンターなどに保管することができるため、これまで契約書の保管スペースとして使用されていた場所を別の目的で使用することができます。

04契約書の改ざんを防ぐことで、コンプライアンスを徹底強化

紙の契約書の場合、誰かが悪意を持って書面の内容を改ざん、偽造した場合、その事実を証明するためには多くの時間、労力、そして費用がかかります。

しかし、電子契約の場合は、万が一、誰かが改ざんしようとしたとしても、その事実が記録として残ります。また、その電子署名が本人のものであること、誰にも改ざんされていないことを証明することも可能。そもそもシステム上、権限を与えられた人しか署名をすることができない仕組みになっているため安心です。

このように、契約書の不正を防止する処置・対策をしっかりと取ることで、コンプライアンスの強化が実現できます。

電子契約のデメリット

電子契約にもデメリットがあるのは事実。その内容を把握・理解した上で自社の課題点を明確にして取り組むことが大切です。

01取引先に電子契約サービスへの加入依頼が必要な場合がある

電子契約サービスによっては、取引先(契約書の受信者)のアカウント登録・取得が必要な場合があります。立会人型の電子契約サービスであれば登録不要・無料のサービスも多くありますが、一部サービスでは登録が必要で費用もかかってしまうものもあるため注意が必要です。

02当事者型の電子契約では、事前準備が必要

認定事業者の電子署名を利用する「当事者型」の電子契約を行う場合は、契約当事者双方で「実印」を作るのと同じくらい準備が必要です。役所や認証局に「私が私であること」を証明するために、印鑑証明書や登記簿謄本(法人の場合)を提出するなどの厳格な本人確認を行い「電子証明書」を取得する必要があります。

03税務調査に備え、電子帳簿保存法に準拠した書類の保存が必要

電子契約で結んだ書類は、ただ保存すればいいわけではありません。「電子帳簿保存法」に従って保管する義務があります。
データの修正・削除などの「改ざん」を防ぐための「タイムスタンプ」の付与や、「社内ルール(事務処理規程)」の作成、取引先や日付、金額で即座に検索できる「検索性」がある状態で保存しなければなりません。

電子契約に関するよくある質問

電子契約はどんな機能によって安全性を保っているのですか?

「電子署名」と「タイムスタンプ」の2つで安全性を担保しています。電子署名で署名者本人が締結したことを証明し、タイムスタンプで「いつ」締結されたかを記録します。この2つを組み合わせることで、本人証明・存在証明・非改ざん証明がすべて可能になります。

電子署名やタイムスタンプの認定を受けていないサービスもあるのでしょうか?

はい、あります。認定を受けていないサービスでも契約自体は有効ですが、電子帳簿保存法への対応や法的証拠能力の面で不十分な場合があります。導入の際は、認定タイムスタンプに対応しているサービスを選ぶことが推奨されます。

電子契約のメリットは何ですか?

主に4つあります。①印紙税・郵送費などのコスト削減、②契約書の作成から保管までをPC上で完結できる業務効率化、③物理的な保管スペースが不要になる、④改ざん履歴が記録されコンプライアンスを強化できる、などです。

電子契約に切り替えると、紙の契約書は一切不要になりますか?

基本的には不要になりますが、取引先によっては紙を希望するケースもあります。また、電子契約で締結した書類も印刷は可能なため、必要に応じて紙で手元に保管することもできます。

電子契約の導入前に社内で準備しておくべきことはありますか?

主に2つです。①現状の契約フローの整理:どの契約書を電子化するかを洗い出し、優先順位をつけておくとスムーズです。②社内ルールの整備:電子帳簿保存法に基づく保存・管理ルールを事前に決めておくことで、導入後のトラブルを防げます。

電子契約サービスの導入にはどのくらい時間がかかりますか?

クラウド型サービスであれば、アカウント登録後すぐに使い始められるものがほとんどです。社内ルールの整備や電子帳簿保存法への対応準備を含めても、早ければ数週間で導入できます。

取引先が電子契約に不慣れな場合でも使えますか?

はい、問題ありません。多くのサービスはメールのリンクから署名できる仕組みのため、取引先に特別なITスキルは不要です。操作が簡単なサービスを選ぶことがポイントです。

電子契約で使用するPCやスマートフォンに特別な設定は必要ですか?

クラウド型サービスであれば特別な設定は不要で、ブラウザやメールが使える環境があれば利用できます。アプリに対応したサービスであれば、スマートフォンからも署名が可能です。

個人事業主やフリーランスでも電子契約は使えますか?

はい、使えます。むしろ印紙税不要・郵送不要のメリットは個人事業主にとっても大きく、低コストで始められるサービスも多いため、積極的に活用するのがおすすめです。

電子契約のデータが消えてしまうリスクはありませんか?

多くのサービスが強固なデータセンターで多重バックアップを取っています。
自社で紙を保管する場合の紛失や災害(火災・水害)リスクに比べ、クラウド管理は安全性が高いとされています。また、契約締結後にPDFをダウンロードして自社サーバーやローカル環境に保存しておくことも可能です。