契約書の収入印紙代はどちらが負担する?節税方法もご紹介!

2025年11月12日2026年03月12日

契約書に貼る収入印紙。「どちらが貼るのか?誰が費用を出すのか?」と迷った経験はありませんか?本記事では、収入印紙が必要な契約書の種類から、貼り方・買い方、貼り忘れた場合のペナルティ、そして印紙代をゼロにできる電子契約まで、実務に役立つ情報をわかりやすく解説します。

収入印紙の基礎知識

収入印紙とは、国に税金や手数料を収めるための証票のことです。
特定の金額を超える領収書や契約書などの文書を作成した際、「印紙税」を収めるために貼られることが主で、他に、国に手数料を支払う必要があるパスポートの申請や資格の登録などでも使われることがあります。

印紙税の対象となる文書とは?

印紙税の対象となる「課税文書」は、印紙税法により、文書の種類と条件が定められており、以下の3つの条件をすべて満たす紙の文書が対象となります。

【条件】

  • ・印紙税法で定められた20種類の文書であること
  • ・非課税文書として定められていないこと
  • ・文書に記載された事項が、その事項を証明する目的で作成されたものであること

【種類】

  • ・印紙税法で定められた第1号文書から第20号文書までの20種類

上記に該当するものでも、電子契約を行った場合は、印紙税の対象外となります。
※文書の種類等の詳細は、国税庁公式ホームページで確認可能です。

参照:国税庁公式ホームページ


▼▼収入印紙については以下の記事もご参考ください▼▼
収入印紙はなんのため?収入印紙が必要となる書類や金額、印紙税の歴史について解説!

契約書の収入印紙代はどちらが支払う?

結論から言うと、契約書の印紙代(印紙税)は、双方で折半する場合もあれば、どちらかのみが負担する場合もあるため、ケースバイケースとなっています。

法律的には?

印紙税法では、印紙税の納税義務者(支払う義務がある人)は、「課税文書を作成した者」と定められています。

参照:国税庁|課税文書の作成時期及び作成者

印紙税法における「課税文書を作成した者」とは、単に「書類を作成し発行した人」という意味ではなく、 「文書に署名・押印して、契約を成立(または証明)させる行為」を指すため、 一般的な契約書のように、契約当事者双方が署名・押印して課税文書を作成(締結)する場合は、契約当事者双方が印紙税の納税義務者となります。

また、印紙税法では、契約書を共同で作った(署名押印した)場合、その全員が「連帯納税義務」を負うと定められています。
連帯納税義務では、どちらか一方の当事者がその義務を果たせば、連帯納税義務者全員の納税義務は消滅するとされているため、 契約当事者のどちらかが印紙税を負担する形でも問題ありません。

つまり

契約当事者双方が署名・押印して課税文書を作成した場合の印紙税は、
どちらか一方が全額を負担しても、それぞれ負担しても問題ないものとなります。
※先方の署名押印が不要な課税文書(領収書など)の場合は、発行者のみに納税義務があります。

参照:国税庁|課税文書の作成時期及び作成者

トラブル回避のために

印紙税に関して、トラブルを避けるためにも、事前に取り決めをしておくか、契約書内に「印紙代は各自が負担する」など、印紙税に関する条項を明記しておくことをおすすめします。
また、電子契約であれば、印紙税の対象外となるので、収入印紙代負担の議論自体が不要になります。

◎電子契約を利用する

課税文書であっても電子契約で締結したものは、印紙税の対象外となり収入印紙代も印紙税負担の議論も不要です。

〇事前に合意しておく

契約の締結前に「印紙は各自の保管分を各自で負担ということでよろしいでしょうか?」と一言確認するだけで、後でもたつくことがなくなります。

〇契約書に「負担」を明記する

文末の結びの文言に「印紙税は各自が保有する文書分をそれぞれ負担するものとする」と一言添えておけば完璧です。

収入印紙の買い方と貼り方

ここからは、収入印紙の購入方法や貼り方について詳しく解説していきます。

収入印紙はどこで買える?

収入印紙は、郵便局や法務局、役所などで購入できます。
金券ショップやコンビニでも取り扱っている場合がありますが、数量や種類が少ない場合があるため注意が必要です。収入印紙は、金額により31種あるため、細かな額や大きい額のもの、多数購入したい場合などには、郵便局や法務局などを利用するのがおすすめです。

場所 種類 備考
郵便局 全種類 各地に店舗があるためアクセスも◎
全額面の印紙が確実に手に入る
※営業時間が平日のみの窓口が多いため注意
ゆうゆう窓口 全種類 24時間営業で土日や夜間でも購入可能な場合が多い
※窓口が併設されていない郵便局もあるので注意
コンビニ 限定的※基本200円 24時間営業が多いので急ぎで少額の印紙が必要なときに便利
※200円以外がない・印紙自体がない店舗もあるので注意
法務局 全種類 各地域の出張所でも購入可能◎
全額面の印紙が確実に手に入る
※営業時間が平日のみに限られるので注意
金券ショップ 在庫による 安く購入できる場合がある
※在庫状況や種類が店舗によって異なるので注意

収入印紙の貼り方と消印の押し方

収入印紙は、基本的に貼り付ける場所にルールはないため、どこに貼っても問題ありません。
一般的には、契約書であれば書面左上の余白、領収書であれば右下の余白、または決められた収入印紙貼付欄に貼り付けます。複数枚の収入印紙を貼り付ける場合にもルールはありませんが、上下や左右に並べて貼るケースがほとんどです。
また、収入印紙を貼り付けたら、消印(割印)を押すことが重要です。
消印がない収入印紙は無効となってしまうため、収入印紙の彩紋と貼付書面に印影がかかるようにしっかり押しましょう。

※印鑑が無い場合は、代わりにボールペンなどで自筆のサインをしても問題ありません。

収入印紙を貼り忘れたらどうなる?

収入印紙を貼り忘れた場合、税務調査を受ける前に自主的に申し出た場合と、税務調査を受けた際に発覚した場合で罰則が異なります。

①税務調査を受ける前に自主的に収入印紙の貼り忘れを申し出た場合
税務署は実際に貼り付けるべきだった収入印紙の1.1倍の遅延税金を徴収します。

②税務調査を受けた際に収入印紙の貼り忘れが発覚した場合
実際に貼り付けるべきだった収入印紙の3倍に相当する額が過怠税として徴収されます。

収入印紙を貼り忘れた場合の注意点(過怠税など)

収入印紙を貼り忘れたり、課税文書に収入印紙を貼って割り印などの消印をしていないと、納付すべき印紙税の納税をしていないということになり、金銭的なペナルティとして「過怠税」が課されることになります。うっかりミスが大きなコストにつながることもありえるので、提出前に契約書の内容と印紙の金額を照合し、消印の有無も必ず確認しましょう。
印紙を貼り付けなかった場合の過怠税については、国税庁ホームページで紹介されていますので、もしもの場合は確認しましょう。

参照:国税庁|印紙を貼り付けなかった場合の過怠税

【必見】収入印紙代の節約方法!

ここからは、印紙税を節約するおすすめの方法をご紹介します!

①電子契約サービスを利用

電子契約で締結した契約書は、原本が電子データのため印紙税の対象外となります。
つまり、収入印紙が不要となり、印紙税0円が叶います!

②金券ショップで収入印紙を購入

金券ショップでは、収入印紙がおよそ数%割引されて売られていることが多いため、通常に購入するよりも少しだけ安く手に入れることが可能です。

③契約金額の書き方を工夫

印紙税は、記載された契約金額によって印紙税が決められるため、単に税込金額を書くのではなく、契約金額と消費税額を分けて書くことで、場合によって収入印紙の額が下がる可能性があります。

④非課税要件を満たすように契約内容を調整する

契約書の種類によって非課税の要件が設定されているため、要件を満たせば収入印紙は不要です。(※特に短期間の契約期間の場合は非課税の要件を満たせる可能性が高くなります)

印紙代の節約は、電子契約の活用がオススメ!

印紙税法の課税対象は紙の文書であることから、印刷せずデータのみでやり取りをする電子契約は課税対象ではありません。
※国税庁でも、課税文書は、現物(紙に印刷された書面)を交付しない場合、課税文書を作成したことにならないとしています。

【参照:別紙1-3 事前照会者の求める見解となることの理由|国税庁

そのため、電子契約を活用すれば、印紙税自体が不要となるので、収入印紙を買うことも、契約書を調整することも、印紙代をどちらが負担するかの取り決めを行うことも不要です。
また、電子契約では、印紙税の削減だけでなく、業務効率がアップする可能性も高いため、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

導入しやすい電子契約サービスは?

初めての電子契約の場合は、いきなり無理に高い電子契約を導入せず、簡単に使えて安いサービスからためすことをおすすめします。無料~月額料金千円程から始められるものもありますので、電子契約導入をご検討の際は、ぜひこちらの記事もぜひご参照ください。

まとめ

契約時に生じる印紙税は、契約書を共同で作成した双方に納税義務があるのが原則(連帯納税義務)ですが、実務では一方が負担したり、双方が各自の保管分を負担して折半したりと、ケースバイケースです。業界や取引先との慣習により対応も異なるため、事前にどちらが負担するか合意を取っておくことが重要です。なお、電子契約であれば印紙は不要となるため、コストを削減したい場合は電子契約サービスを検討するのもおすすめです。

契約書の印紙税や収入印紙に関するよくある質問

Q. すべての契約書に収入印紙が必要?

A. いいえ、必要ありません
印紙が必要なのは、印紙税法で定められた「課税文書(第1号〜第20号)」に該当する場合のみです。 また、これらに該当しても「契約金額が1万円未満(第2号文書など)」の場合や、 「電子契約」で作成・締結した場合には、印紙を貼る必要はありません。

Q. 契約書の原本が1通の場合は収入印紙も1通分で良い?

A. はい、1通分で大丈夫です。
印紙税は、署名・押印がある「原本(課税文書)」1通に対してかかります。原本を1通だけ作成し、一方が原本を、もう一方がそのコピー(写し)を保管する形式であれば、印紙は原本の1通分だけで済みます。 原本を2通作成した場合は、2通分の印紙税が必要となります。

Q. 「印紙代は折半で」と言われたが、どうすればいい?

A. 契約書を2通(原本)作成し、お互いが1部ずつ持つ場合は、それぞれ自分の持つ書類に印紙を貼って納税します。 結果として双方が1通分ずつ負担することになるため、これが実務上の「折半」となります。

Q. 収入印紙と切手は違うの?

A. まったく別物なので間違えないよう注意しましょう。
見た目は似ていますが、契約書に切手を貼っても納税したことにはなりません。 もちろん、封筒に収入印紙を貼っても手紙は届きません。 切手と収入印紙を間違えて買ってしまった場合は、郵便局の窓口に行けば、所定の手数料(1枚につき5円など)を払うことで、 収入印紙を別の額面の印紙や切手に交換してもらうことができます。
※現金の払い戻しはできないので注意しましょう

Q. 収入印紙代を安くすませる方法はある?

A. 主に4つの方法があります。
【1】電子契約を活用:電子データでの契約は印紙税がかからないため、最も効果的です。
【2】原本を1通にする:原本は1通で、一方はコピーを保管することで、印紙代を1通分に抑えられます。
【3】記載金額を工夫:契約金額と消費税額を分けて書くことで、印紙税の額が下がる可能性があります。
【4】金券ショップで買う:金券ショップでは、収入印紙が数%割引で売られている可能性があります。

Q. 契約書を「控え」としてコピーした場合も印紙は必要?

A. 原則として、コピー(写し)には印紙を貼る必要はありません。
ただし、コピーであっても「契約の成立を証明するもの」として、双方の署名・押印がある場合や、 「本写しは原本と相違ない」といった証明文がある場合は、課税文書とみなされ印紙が必要になることがあります。

Q. 金額を間違えた印紙を貼ってしまった場合、返金してもらえる?

A. はい、税務署で「還付(かんぷ)」の手続きが可能です。
お近くの税務署へ行き、所定の書類を提出することで、後日銀行振込で返金(還付)を受けることができます。 印紙を無理に剥がすと無効になるため、書類に貼ったまま持参してください。
※金額を間違えた場合や誤って貼ってしまった場合、郵便局では返金できません。

Q. 契約が白紙になった場合、印紙代は戻ってくる?

A. はい、還付の対象になります。
契約が成立する前に文書が不要になった場合や、書き損じた場合も、税務署で還付の手続きができます。 その際、印紙を剥がさず、その書類ごと税務署へ持ち込む必要があります。

Q. 契約金額が「税込」か「税抜」かで印紙代が変わることはある?

A. はい、あります。
消費税額が明確に分けられて記載されている場合(例:本体価格50,000円、消費税5,000円、計55,000円)、税抜価格の50,000円を基準に印紙代を判断します。もし「税込55,000円」としか書かれていない場合は、55,000円が基準となり、印紙代が高くなる可能性があるため、税抜・税込は分けて書くのがお得です。

Q.消印(割印)を忘れたらペナルティはある?

A. はい、印紙を貼っていても消印がないと「過怠税」の対象になります。
印紙を貼るだけでなく、印紙と書類にまたがって判子(または署名)で消印をすることで初めて「納税」とみなされます。消印がない場合、印紙額と同額の過怠税が課されることがあるため注意しましょう。