2020年07月20日2024年01月12日
【脱ハンコ】「ハンコ」文化はビジネスに必要なのか?!
「脱ハンコ」をめぐり揺れる日本
これまで長らく日本に文化として根付いてきたハンコ。コロナ禍で外出自粛要請が出され、リモートワークが推進されるなか、ハンコをとりまく環境も大きく様変わりしました。2020年6月19日、政府は押印に関するガイドライン(指針)を発表。「特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印しなくても、契約の効力に影響は生じない」という内容が記されています。契約書にハンコはつきものですが、実は押印しなくても法律違反にはならず、契約は有効となるのです。
特に紙文化やハンコ文化が色濃く残る行政がこのような指針を出したのは画期的なことだと言えます。
またこのガイドラインが示された後に、IT政策担当大臣の竹本直一氏が「日本の印象制度・文化を守る議員連盟(ハンコ議連)」の会長を突然辞任したのも大いに話題となりました。
一方で、ハンコ議連の会長代理である城内実氏がAmebaTVで元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏と「リモート時代にハンコは必要なのか?」というテーマで激論。
ひろゆき氏が脱ハンコを訴えるのに対して、城内氏は「ハンコは日本の文化であり、電子化の動きと共存可能」と論じました。
コロナ禍の今、ハンコ文化は岐路に立たされていると言えますが、果たして実際のビジネスの現場ではハンコは本当に必要なのでしょうか?
日本の企業が「ハンコ」にこだわる理由
そもそもこれだけIT技術が進化したなかで、なぜ日本の企業ではハンコにこだわっているのか?その理由を考察してみました。
「ハンコ」でなければならないという意識がある
ハンコ文化が廃れない理由の一つに「思い込み」が挙げられます。契約書や請求書、見積書、公文書、あるいは銀行の手続きや荷物の受け取りまで、私たちの日常のありとあらゆる場所にハンコを押す機会があります。
そうした環境のなかで、「契約や文書を提出するときにはハンコが必要不可欠」という思い込みが醸成されてきました。冒頭のガイドラインを見て、「ハンコがなくても大丈夫なの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際は契約を交わすときに必ずしもハンコは必要ではない。サインでも筆跡鑑定によって本人が書き記したものだと特定できれば意思表示は認められます。にも関わらず、みんなが「ハンコが必要」という思い込みに囚われてしまっているのです。
みんなが「ハンコ」を使っているから電子化できない
押印して書類を誰かに提出する。ハンコ文化は相手ありきです。たとえ自社内で脱ハンコを決めて、電子印や電子契約を導入しようと思っても、取引先から「ハンコじゃないとダメ」と言われてしまったら元も子もありません。
みんなが使っているから、自分もハンコを使わなければいけないという理由で電子化が進まないという側面もあります。
電子印や電子契約を導入すれば、社内のワークフローも変わります。特に「今までのやり方を変えたくない」「わざわざそんなものを取り入れる必要はない」といった保守的な考え方の経営者や管理職が脱ハンコを阻んでいるケースは少なくありません。
「ハンコ」文化はビジネスに必要か
しかしこのままハンコ文化にこだわり続ける必要はないと言えます。今回のコロナ禍では「ハンコを押すために出社しなければいけない」というハンコ文化の弊害があらわになりました。他にも、ハンコ文化の負の側面はさまざまあります。
たとえばハンコを押して貰うために書類が社内でたらい回しにされているという現象が、多くの会社で起きています。社長、取締役、部長、課長、係長、担当者というように押印欄が多くあり、ぜんぶ埋めなければいけない。上司が出張に行っているおかげでハンコが押してもらえず、何日も書類が停滞している。そんな経験をされたことがある方もいらっしゃるかと思います。いつまでたっても書類の承認や決済がされず、ビジネスのスピード感が落ちてしまうという弊害がハンコ文化にはあるのです。
また押した印が曲がっている、薄れている、押印箇所が違っているといった理由で書類の作り直しを求められるケースも少なくありません。ハンコ文化が余分な仕事を生み出している側面もあります。
海外では「ハンコ」文化は存在しない?!
ハンコ文化は日本だけのものなのでしょうか?海外の事情も少し見てみましょう。
欧米
欧米ではハンコを使う機会はほぼないと言っても良いでしょう。日常ではサインを使います。重要な契約の際には「ノータリー・リパブリック」という公証人が立ち会い、「本人であることを証明します」という意味合いのスタンプを押してくれます。
アジア
日本のハンコ文化は中国が起源です。しかし当の中国は今では欧米と同様にサイン文化となっています。
韓国でもハンコ文化はあったのですが、漢字よりもシンプルなハングル文字は偽造されやすいという問題があり脱ハンコを実現。今では電子印が主流です。
台湾では日本と同様、今でもハンコ文化が根付いています。アジアの中でも頻繁にハンコを使うのはこの2カ国くらいと言われているくらいです。
まとめ
ハンコは文化ですので、一概に悪者扱いはできません。確かに押印するときには身が引き締まる想いがして、契約の重要性を実感させられます。しかしハンコにこだわりすぎてしまうと、ビジネスが停滞するという負の側面があるのも事実です。
コロナ禍でハンコ文化の是非が問われているこの機会に、電子印や電子契約で脱ハンコを実現し、業務の効率化を目指してみるのも良いかもしれません。
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