電子契約の社内活用アイデア4選

2023年12月11日2026年10月23日

「電子契約=取引先との契約に使うもの」という認識はもったいない! 「自社から送る契約書が少ないから、電子契約は必要ない」 そう考えて導入を見送っていませんか? 実はそれ、非常にもったいない誤解です。2026年現在、電子契約サービスは「社外の取引先と契約を結ぶためだけのツール」ではありません。
電子契約の本質的な価値は、「社内のあらゆる契約書や重要書類をペーパーレス化し、業務プロセスを劇的に効率化すること」にあります。 たとえ取引先に契約書を送る機会が月に数回、あるいはゼロだとしても、社内の書類などでも活用することができます。 当記事では、社内書類の電子化をメインにした、電子契約サービスの賢い活用法や活用アイデアをご紹介します。

電子契約はどこまで使える?使用できる契約書の種類

日本では「契約自由の原則」に基づき、契約の成立に必ずしも紙の書面を必要としません。 当事者同士の口頭での合意であっても契約自体は成立するほど自由度が高く、当然ながら電子契約での締結も法的に認められています。

かつては不動産取引や特定の消費者取引において紙の書面交付が義務付けられていましたが、近年の法改正(2022年施行のデジタル改革関連法など)により、現在では不動産関連の重要事項説明書や賃貸・売買契約書、訪問販売における概要書面等も含め、幅広く電子化が解禁され、社外・社内問わずほぼすべての契約(業務委託契約、秘密保持契約、雇用契約、不動産売買・賃貸契約、売買契約、訪問販売等の書面など)が電子契約可能となっています。

現在も紙(公正証書など)が必要な契約

現在も紙の手続きが必須として残っているのは、以下のような公正証書の作成が義務付けられているごく一部の契約です。
 ・事業用定期借地契約(公正証書による作成が必須のため)
 ・任意後見契約(公正証書による作成が必須のため) など

【こんな使い道も!】電子契約の活用&効率化アイデア集

電子契約は、取引先との契約締結に使うものと思われがちですが、実は、社内のさまざまな業務シーンでも幅広く活用することが可能です。以下では、社内業務を劇的に効率化し、バックオフィスの生産性を向上させる「電子契約の社内活用アイデア4選」ご紹介します。

1.雇用契約書と労働条件通知書の電子化で採用スピードを加速!

優秀な人材の確保には、内定出しから契約締結までのスピードが欠かせません。 入社時に取り交わす雇用契約書は、労使間で条件を合意するための重要書類です。雇用契約書は、法律上の書面化義務はありませんが、将来的なトラブル防止のためにも取り交わすことが一般的となっています。 一方、会社から労働条件を明示する労働条件通知書は、以前まで紙での交付が義務付けられていましたが、2019年4月の省令改正により労働者の承諾を得ることで電子交付(メールやPDF等)が可能になりました。0

2. 業務委託契約書の電子化で外注プロセスとコストをスマートに削減!

業務委託契約書の電子化は、「印紙税(コスト)の削減」と「締結スピードの向上」が叶うため、企業・フリーランス双方に大きなメリットがあります。特に、業務委託契約のうち「請負契約」に該当するものを紙で作成する場合、契約金額に応じて収入印紙(印紙税)を貼る必要があります。しかし、電子契約で締結した場合は印紙税の課税対象外となるため、大幅なコストカットが可能です。

3. 決裁書や稟議書の電子化で意思決定のボトルネックを解消!

「上司が主張中で判を押してもらえず、プロジェクトが進まない」 「押印のためだけにわざわざ出社しなければならない」 こうした社内承認のタイムラグは、ビジネスチャンスの逸失に直結します。社内決裁や稟議(ワークフロー)に電子契約・電子署名サービスを組み込むことで、意思決定のスピードが劇的に向上します。

紙の決裁書や稟議書を回付する際、たくさんの添付文書が必要になるケースもままあります。いちいち目を通すのが大変で時間がかかり、なおかつ紛失のリスクも考えられます。決裁書や稟議書に電子契約サービスを導入すれば、パソコンでもスマートフォンでも簡単に書類の確認ができるため、テレワーク中でも確認が可能です。 押印のためだけにわざわざ出社する必要もありません。「決済に不可欠な上司が捕まらない」という悩みも即時に解消にも役立ちます。

4.誓約書や社内契約の電子化で、バックオフィス業務を劇的に改善!

入社時の「秘密保持誓約書(NDA)」や「IT機器貸与誓約書」、人事異動に伴う確認書など、全社・大人数に一斉配布する社内書面も電子化の絶好の対象です。 従業員一人ひとりに紙を印刷・配布し、提出を催促して回収する……という果てしない事務作業から人事・総務担当者を解放します。

誓約書は、社内でのシンプルな契約とはいえ、従業員それぞれと契約を交わすのは時間もかかり煩雑な作業となりえます。こういった書類を電子化することで、一斉送信が可能となり、授業員の誰が同意(署名)していないかもすぐに確認できますから、進捗の管理も簡単です。

【まとめ】電子契約で「アナログな無駄」を解消!

かつては紙でのやり取りが義務付けられていた契約業務ですが、近年の法改正により不動産取引や雇用手続きも含め、原則としてほぼすべての契約で電子化が利用可能となりました。電子契約は、今や単なる「取引先との契約ツール」にとどまりません。本記事で紹介したように、社内業務のさまざまなシーンに導入することで、企業に大きな変革をもたらします。社内の契約を電子化することは、コスト削減だけでなく、意思決定のスピード向上・コンプライアンス強化・バックオフィスの生産性向上に直結します。「社外との取引」だけでなく、まずは導入しやすい「採用手続き」や「社内誓約書の回収」といった身近な社内業務から、電子契約への移行をスタートしてみてはいかがでしょうか。

電子契約・社内活用に関するよくあるご質問

Q.電子契約を社内で利用する場合、どんな活用方法がある?

A. 採用・人事、誓約書、社内決裁(稟議)、総務申請など、幅広いバックオフィス業務で活用できます。社外との契約だけでなく、社内業務に電子契約や電子署名・ワークフローを導入することで、業務の停滞や紙・郵送コスト、管理の手間を大幅に削減することが可能です。

Q.電子契約できない(禁止または制限されている)契約書はある?

A. ごく一部存在します。 2022年の法改正により不動産関連契約なども解禁され、ほぼすべての契約で電子化が可能になりましたが、「事業用定期借地契約」や「任意後見契約」などの法律で「公正証書による作成」が義務付けられている一部の契約に関しては、現在も完全な電子化はできません。

Q.「収入印紙(印紙税)」は、電子契約でも必要?

A. 不要です。 印紙税法において、印紙税は「作成された紙の文書」に対して課されるものと定められており、電子契約(PDFデータ等のやり取り)は「課税文書の作成」にあたらないため、請負契約書や不動産関連契約であっても収入印紙を貼る必要はありません。

Q.雇用契約書や労働条件通知書を電子化する場合、LINEやチャットで送っても大丈夫?

A. 本人が希望し、かつ印刷可能な状態(PDF等)であれば可能です。 メールやクラウドサービスのほか、労働者が希望した場合にはLINE等のSNSメッセージで送ることも認められています。ただし、本人がいつでも保存・印刷(出力)できる形式(PDFファイルの添付など)で交付する必要があります。

Q.社内の「稟議書」や「誓約書」を電子化する場合、有料の電子契約サービスを使わないとダメ?

A. 社内ツールや社内イントラネットを活用した電子化も可能です。 社内のみで完結する決裁や誓約書であれば、社内のワークフローシステムやGoogleフォーム、社内イントラ等を利用して承認・回答ログを残す形でも運用できます。ただし、改ざん防止や厳格な本人確認を行いたい場合は、電子署名付きの電子契約サービスが安心です。

Q. 電子契約した書類は、どのように保存・管理すればよいですか?

A. 「電子帳簿保存法」の要件を満たして保存する必要があります。 電子取引で受領・締結したデータは、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存することが義務付けられています。「日付・金額・取引先で検索できること」「改ざん防止措置がとられていること」などの要件を満たすクラウドサービス上で保管するのが最も確実です。

Q. 送付先の方がスマホしか持っていない場合も電子契約は使えますか?

A. 大半の電子契約サービスはスマートフォン表示(レスポンシブデザイン)に対応しています。専用アプリも不要で、スマホのブラウザ上で書類を確認し、画面上で署名(テキストの記入)や同意ボタンを押すだけで手続きが完了します。

Q.雇用契約書を電子契約で取り交わす場合、「押印」や「手書きの署名」がなくても、契約は成立しますか?

A. 成立します。 そもそも日本の法律(民法)では、契約の成立に押印や書面は必須ではなく「双方の合意」があれば成立します。電子契約サービス上で本人がログインし「同意」を押したログ(アクセスログ・タイムスタンプ)が記録されていれば、法的にも合意の証明として十分機能します。

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